演題:『静岡大学工学部の近況紹介と顕微鏡の話』
講師:川田 善正氏(静岡大学工学部長)
【講演概要】
静岡大学工学部のゆかりの人々を振り返れば、1926年に高柳健次郎先生がテレビを
発明後、CVCCエンジンやクウォーツ時計、カミオカンデ、アイボやVHSビデオの
開発なども工学部の卒業生が力を注いできた。世界最初の電子式テレビが誕生して
から約100年後の現在、静大では8Kスーパーハイビジョン用のカメラ開発を
進めている。当学部には、電子技術と材料系を融合した「電子物質科学科」という
他大学に無いようなユニークな学科や、機械工学科には、電気自動車などにも精通
できる「光電・精密コース」、宇宙に放出する衛星を作ったり、宇宙エレベーター研究
をしたりする「宇宙・環境コース」、人間環境にロボットを活かす開発研究などを行う
「知能・材料コース」がある。また大学院には事業開発マネジメントコースを設け、
経営センスを身に付けさせている。敷地内には「電子工学研究所」があり、
東京医科歯科大学生体材料工学研究所など複数の研究所と組織を組み、
「生体医歯工学共同研究拠点」を置いている他、浜松医科大学、
光産業創成大学院大学、浜松ホトニクス株式会社と光開発に取り組む
「光創起イノベーション研究拠点」を置き、地域活性化を図っている。
さらに今年4月からは「産業イノベーション人材育成プログラム」を立ち上げ、
企業から持ち込まれた課題を、専門の研究教員と学生等の組織で解決方法を検討
していく仕組みをスタートさせた。企業で取り組みたい事があれば是非声を
掛けてほしい。また光・電子工学と浜松医科大学の光医学を融合させた
光医工学共同専攻を開設し、21世紀が抱える諸問題解決に向けた高度な人材養成
にも積極的に取り組んでいく。具体的に私が取り組んでいる顕微鏡研究は、
光を使いナノ領域の小さなものを計測、加工、制御するため、新たな光学顕微鏡の
開発を目的としている。レーザー光を一点だけに当て、通過する光を検出することで
画像を表示する走査型光学顕微鏡はDVDやCDなどの仕組みにも利用されているが、
小さく集光するには限界がある。そこで開発しているのが
「EXA(電子線励起光学)顕微鏡」。電子線は微小な光スポットを形成することができ、
生きたものをそのまま見たり、水中のものも観察したりできる。
光学顕微鏡の技術と電子顕微鏡の空間分解能を組み合わせた新技術を更に高め、
今後、医学・薬学、バイオ・ナノ分野での科学技術進展に活かしていきたい。
2018年3月19日(月)21世紀倶楽部月例セミナー
演題:『静岡大学工学部の近況紹介と顕微鏡の話』
講師:川田 善正氏(静岡大学工学部長)
【講演概要】
静岡大学工学部のゆかりの人々を振り返れば、1926年に高柳健次郎先生がテレビを
発明後、CVCCエンジンやクウォーツ時計、カミオカンデ、アイボやVHSビデオの
開発なども工学部の卒業生が力を注いできた。世界最初の電子式テレビが誕生して
から約100年後の現在、静大では8Kスーパーハイビジョン用のカメラ開発を
進めている。当学部には、電子技術と材料系を融合した「電子物質科学科」という
他大学に無いようなユニークな学科や、機械工学科には、電気自動車などにも精通
できる「光電・精密コース」、宇宙に放出する衛星を作ったり、宇宙エレベーター研究
をしたりする「宇宙・環境コース」、人間環境にロボットを活かす開発研究などを行う
「知能・材料コース」がある。また大学院には事業開発マネジメントコースを設け、
経営センスを身に付けさせている。敷地内には「電子工学研究所」があり、
東京医科歯科大学生体材料工学研究所など複数の研究所と組織を組み、
「生体医歯工学共同研究拠点」を置いている他、浜松医科大学、
光産業創成大学院大学、浜松ホトニクス株式会社と光開発に取り組む
「光創起イノベーション研究拠点」を置き、地域活性化を図っている。
さらに今年4月からは「産業イノベーション人材育成プログラム」を立ち上げ、
企業から持ち込まれた課題を、専門の研究教員と学生等の組織で解決方法を検討
していく仕組みをスタートさせた。企業で取り組みたい事があれば是非声を
掛けてほしい。また光・電子工学と浜松医科大学の光医学を融合させた
光医工学共同専攻を開設し、21世紀が抱える諸問題解決に向けた高度な人材養成
にも積極的に取り組んでいく。具体的に私が取り組んでいる顕微鏡研究は、
光を使いナノ領域の小さなものを計測、加工、制御するため、新たな光学顕微鏡の
開発を目的としている。レーザー光を一点だけに当て、通過する光を検出することで
画像を表示する走査型光学顕微鏡はDVDやCDなどの仕組みにも利用されているが、
小さく集光するには限界がある。そこで開発しているのが
「EXA(電子線励起光学)顕微鏡」。電子線は微小な光スポットを形成することができ、
生きたものをそのまま見たり、水中のものも観察したりできる。
光学顕微鏡の技術と電子顕微鏡の空間分解能を組み合わせた新技術を更に高め、
今後、医学・薬学、バイオ・ナノ分野での科学技術進展に活かしていきたい。