日時:2020年3月 5日 10:00 投稿者:pt21c

講師:
株式会社遠鉄百貨店 代表取締役社長 中村昭 氏

演題:「百貨店経営で感じた事」

【講演概要】
 浜松市内唯一の百貨店である遠鉄百貨店は開業
31年目。当百貨店が業務提携している高島屋な
ど全国には江戸時代の呉服店から始まった老舗百
貨店が多いことを考えるとかなり後発といえる。
しかし、後発だからこそ駅前に出店という強みを
持ち平成30年度の入店客数は927万人となっ
ている。小売業という点でショッピングセンター
と比較されるが不動産賃貸を主とするショッピン
グセンターに対して百貨店は売上が計上されたと
きに仕入が計上される「消化取引」が主であるこ
とが大きく異なる。
400年続く百貨店の長い歴史を見ると、店は
常に時代に対応して生き残ってきた。特に近代化
が急速に進んだ1950年頃、ショーウインドー
ができたり博覧会が開催されたりスケート場など
が登場し娯楽の殿堂と言われるようになった。
これからの時代どう生き残るかは各陣営がそれぞ
れ模索中。グランドオープンした日本橋高島屋は
百貨店ビジネスと不動産を融合させたまちづくり
という発想を持っているが、地方の百貨店は独自
な発想で考えていかなくてはならない。
当店では現状より幅広い年齢層の取り込みを図
るため「従来の百貨店にとらわれない魅力あるテ
ナントの誘致」、「デパ地下、化粧品、外商部門
等の百貨店の"強み"の更なる強化」、「店舗販売
力の強化」、「働く人材のモチベーションアップ」
などに取り組んでいる。百貨店の三要素は
「MD(マーチャンダイジング)」、「環境」、
「販売力・サービス力」と考えているが、何の仕事
も肝心なのは「人材」。そのためランチミーティン
グ等で経営トップと社員たちと語り合う会(10名
ほどずつ年間約60回を数える)を設けたり、シー
クレットカスタマーが各店舗を判定したり接客コン
テストに参加したり、モチベーションとスキルの両
輪アップに取り組んでいる。
また、ランドセルやバレンタイン商品など特化し
た重点商品の売場強化に目標額を掲げてチャレン
ジしたところ、成果を上げ手ごたえを感じている。
さらにレストラン街は1.5倍の面積に拡大し店舗
を増やすと共に閉店時間を23時にすることで
夜間営業の強化を図った。酒の肴とドリンクがセ
ットになった「ちょい飲みプラン」もオススメで
多くのご利用をいただくようになってきている。
百貨店は結局のところ「楽しい所」であることが
大切。「いつも、人から。」「人を信じ、人を愛
し、人につくす」という高島屋スローガンと全く
一緒で、事業の根幹は「人」だと思う。これから
も地域の皆様に愛される百貨店を目指し従業員一
同邁進していく。


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