日時:2020年2月 5日 10:00 投稿者:pt21c

講師:日本銀行静岡支店長 竹内淳 氏
演題:「2020年静岡経済の行方」
【講演概要】
 世界経済は、成長のテンポが「減速傾向」にある日本のみならず、各地で米中の貿易摩擦の影響
から製造業が不振。一般的には、製造業が不振になると失業率が高まり、人相手の非製造業にも余
波が及ぶと想定されるが、今のところその手前で踏みとどまり、非製造業は健闘している。米国な
どでは雇用増が消費を下支えしている。先行きは、これまでの金融緩和の効果やシリコンサイクル
の持ち直しが、年後半以降に顕現化するだろう。特に本年は、「5G(ファイブジー)」実用化元
年とも呼ばれ、関連の投資が一気に増えると期待されている。
 日本は昨年、機械受注が大きく下落し輸出が弱まった。輸出用機械のウェイトが大きい静岡県内
でも、企業心理が大きく悪化している。他方で内需は、設備投資や個人消費が健闘しており、堅調
だ。県内企業の設備投資意欲も旺盛。投資の中身では、機械の増設が減る一方で、ITや研究開発
投資が積極化している。IT投資の目的も、合理化という「守り」だけでなく、新製品やサービス
の開発といった「攻め」も増えている。建設投資は、再開発案件が潜在的に多く存在し、長期的な
増加局面にある。公共工事も災害対応などで拡大する。以上を踏まえると、暫くは輸出の落ち込み
を、内需でカバーし、年後半以降の外需回復に期待するのがメインシナリオ。ただ、外需が本当に
回復するか、さらに個人消費が増税後の反動からしっかりと立ち直るのか、は不透明であり、リス
クと言える。
 人生百年時代の到来。充実した老後を送るためには、公的年金に加えて自ら貯めることが必要。
資産形成には、様々な税制優遇措置が講じられており、活用して欲しい。同時に働き続けること
で、収入を確保し、健康を維持することも重要。静岡県は健康寿命が全国2位とトップクラス。
最近の高齢者は、確実に肉体年齢が若返っており、働き続ける意志を持つ人も増加している。高齢
者が働きやすくするために、フレキシブルな働き方や職場環境づくりが必要だ。
 最後は新日本銀行券を紹介する。2024年度発行の新券の特徴は、①ユニバーサルデザインと
②偽造防止力の向上。額面数字が大型化し、見やすくなる。透かし部分の背景に模様が入り、機能
アップしたホログラムによりデザインが立体的に見える。改刷は日本では20年ぶり。我が国の偽
造券発生率は、現在も世界で稀な低さを誇るが、技術伝承の意味でも意義深いこととして注目して
ほしい。


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