日時:2021年6月 7日 09:44 投稿者:pt21c

講師:磐田市長 草地博昭 氏
演題:ここから始まる磐田のまちづくり
【講演概要】
 私は昭和56年生まれ。幼い頃から自然への興味が強く、環境問題
について学びたいと国立豊田高専環境都市工学科へ進学した。全寮
制で毎日仲間と社会について語り合った経験が政治に関心を持った
最初のきっかけ。当時から故郷を誇りに思える街にしたいと考える
ようになった。
 入社したJR東海では品川の現場に勤務。首都圏インフラを支え
るため、何千人もの人が夜通し働いていることを体感した。故郷の
ために働きたいと帰郷し、NPO法人磐田市体育協会に従事。体育
協会の運営にISOの観点を取り入れ、目標や仕組みづくりに取り
組んだり、「ジュビロ磐田メモリアルマラソン」で、ボランティア
の方に力を発揮してもらう仕組みを考えたり、大変充実した時間だ
った。
 市議会議員時代は不登校や引きこもり問題、障がい者や外国人児
童支援、中心市街地活性化などに取り組んだ。各分野について専門
的に関わることができたことが、今の私の大きな力になっている。
常々思っているのは「豊かさとは、安心が続くこと」。それぞれの
市民生活向上のためには民間サービスだけでなく、政治や税の仕組
みを整えることが必要と感じてきた。
 ではこれからの磐田市をどうしていくのか。ポイントは①人口の
安定化②デジタル化③激甚災害対策④コロナ対策。直近のコロナ対
策ではワクチン接種と同時に、感染者と疑わしい人を早めに検査す
ることで抑え込みを図っている。
 『遠くを量るものは富み、近くを量るものは窮する』という二宮
尊徳の言葉にもあるように、直近課題に取り組みながらも、同時に
10年20年先を見据えた政策が重要。不動の本質の中に新しい変化を
取り入れる「不易流行」による街づくりを目指すためにも、20代を
中心にした若者を磐田市に呼びこんでいくことがカギになる。それ
には情報発信と共に若者たちのリアルな声を届けてもらうデジタル
化の仕組みづくりが大切になる。
 市のシンボルとも言われる旧見付学校は、開校当時は皆が人徳を
学びさまざまな新情報に触れ合う最先端の場所だった。こうした素
晴らしい地域遺産を活かしながら、今後は子どもたちの育成はもち
ろん 、大人たちも「リカレント教育(生涯にわたり 教育・就労を
繰り返す教育制度)」ができるような場所を早々に創りたい。
 またファシリテーション技術を取り入れた対話による市民参加を
進め、起業したい人材をバックアップできる仕組みづくりにも力を
入れたい。そして静岡県西部の同じ経済圏である浜松市・湖西市な
ど近隣市町と連携してエリアのエネルギーを強めていけたらと思う。
 パナマ運河建設に携わった唯一の日本人の土木技術者、青山士(
あきら)氏は磐田市出身。彼は「生まれたときより、よりよくして
残したい」という言葉を遺している。まさに私自身もこの想いで邁
進していくので、皆さまからもさまざまな角度からのご意見やアイ
デアを寄せていただきたい。


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