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日時:2017年1月31日 12:19 投稿者:pt21c

演題:最近の金融経済情勢~2017年の展望~

講師:小髙 新吾氏 日本銀行静岡支店長

【講演概要】

わが国の金融政策は、デフレ悪循環の抜本的転換を目指し、

「量的・質的金融緩和政策」を導入。

原油価格の下落や消費税率引き上げ後の需要の弱さなどから、

2%の物価安定目標はまだ達成できていないが、同政策導入以降の3年間で、

わが国の経済・物価、金融情勢は大きく改善し、もはやデフレではなくなった。

またマイナス金利の導入は、国債買い入れとの組み合わせによって、

長短金利の大幅な押し下げにつながったが、

これは金融機関収益を圧縮する形で生じたものであったほか、長期金利や超長期金利

の過度な低下は、保険や年金などの運用利回りを低下させるほか、

企業における退職給付債務の増加などにもつながるため、マインド面等を通じて

経済活動に悪影響を及ぼす可能性も生じていた。そこで昨年秋から、新たな金融緩和の

枠組みである「長短金利繰作付き量的・質的金融緩和」を導入した。

日本銀行は、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために、

今後とも最大限の努力を続けていく。こうした中、現在の日本経済は所得環境や

輸出環境もそれほど悪くない。財輸出が伸び悩んでいても、

サービス輸出(知的財産権使用料、日本の特許利用料、インバウンドなど)が

増えているのが特長で、まだまだ伸びる余地がある。

今夜就任するトランプ大統領の発言で、今後一喜一憂せざるを得ない状況を

危惧しながらも、現状まずまずと判断している。

県内に視点を移すと、製造業の空洞化、雇用者所得の低迷から個人消費が伸び悩み、

今後、経済が持続的な成長をするためには、

労働生産性(時間当たりどれくらい稼げるか)を上げて経済成長を

実現することが必須となる。とはいえ、業況判断はかなり改善が見られる。

特に食品製造や旅行・ホテルなどが好調。まだ一般的な実感は無いかもしれないが、

設備投資も戻ってきたため、大きなマイナスが無い限り、静岡県は緩やかに回復するとみている。

もともと静岡県はものづくりの素養が高く、

今年は特に「直虎」のブランド力を活かしたマーケティング、販路拡大、

生産性向上が見込まれる。こうした流れと共に、特に必要な投資、研究開発、

人的投資を高めることにも力を入れていくべきだろう。

技術の進歩は、ともすると「ロボットが人の力を奪うのではないか」と

負の面を捉えられがち。しかし長い目で見れば人類経済の繁栄をもたらし、

所得や購買力を増やして新しい財や需要を作り、次なる産業育成にも繋がっていく。

フォトンバレー(光・電子技術関連産業集積)やストーリーある観光ネットワークなど、

県も産業環境整備に力を入れている。日本銀行も微力ながら力を尽くしていくので、

さまざまな分野の方々と一緒にオール静岡で取り組み、

今年も良い年にしていきたいと考えている。

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