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日時:2016年10月 6日 13:11 投稿者:pt21c

演題:「減災」から「防災社会」へ

講師:岩田孝仁 氏 静岡大学防災総合センター教授

【講演概要】

阪神・淡路大震災以降、できるところから被害を減らす「減災」という造語が使われ始めた。

しかし「減災でよし」としてしまうと、対策も「この程度でよい」との甘えになりかねない。

そこで今は、しっかり「犠牲者ゼロ」を目標に掲げ、

「減災」から「防災」の考え方に原点回帰している。

現代の社会環境は、排水能力が上がり河川整備も進んだことで、

一般的な台風や大雨が来ても普段と変わりなく生活できる。

こうした、日常の中で災害を想像できないことが、

レベルの高い災害に見舞われたとき、想定外の被害を生んでしまうのではないだろうか。

克服するには、ハード面の強化と共に、皆の想像力と知恵を高める必要がある。

南海トラフ巨大地震は、静岡県民の生活圏の大部分が、

震度6強~震度7に見舞われると想定されている。

これまで、住宅の耐震化は最終的に個人の意思決定に託されてきた。

しかし、高齢者単独の古い住宅の耐震化課題もあり、今後は都市計画事業など、

積極的な公的資金を投入した事前復興※の仕組みを検討すべきと考えている。

また津波対策では、防潮堤や水門などのハード対策と、

自ら避難する意識づけというソフト対策の両者が、

車の両輪のごとく実行されていく必要がある。

さらに、これまでの震災の記録を見直すと、被災者の救出に、

近隣住民の共助が大きな力になっていることが分かる。

高齢化が進む今、地域の力を確保することは大きな課題。

そこで、静岡県では2002年から中高生が防災訓練に参加している。

若者たちが、地域で活動することが当たり前の世の中になっていくことが、

一つの課題解決に繋がるのではないかと取り組んでいる。


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