演題:「減災」から「防災社会」へ
講師:岩田孝仁 氏 静岡大学防災総合センター教授
【講演概要】
阪神・淡路大震災以降、できるところから被害を減らす「減災」という造語が使われ始めた。
しかし「減災でよし」としてしまうと、対策も「この程度でよい」との甘えになりかねない。
そこで今は、しっかり「犠牲者ゼロ」を目標に掲げ、
「減災」から「防災」の考え方に原点回帰している。
現代の社会環境は、排水能力が上がり河川整備も進んだことで、
一般的な台風や大雨が来ても普段と変わりなく生活できる。
こうした、日常の中で災害を想像できないことが、
レベルの高い災害に見舞われたとき、想定外の被害を生んでしまうのではないだろうか。
克服するには、ハード面の強化と共に、皆の想像力と知恵を高める必要がある。
南海トラフ巨大地震は、静岡県民の生活圏の大部分が、
震度6強~震度7に見舞われると想定されている。
これまで、住宅の耐震化は最終的に個人の意思決定に託されてきた。
しかし、高齢者単独の古い住宅の耐震化課題もあり、今後は都市計画事業など、
積極的な公的資金を投入した事前復興※の仕組みを検討すべきと考えている。
また津波対策では、防潮堤や水門などのハード対策と、
自ら避難する意識づけというソフト対策の両者が、
車の両輪のごとく実行されていく必要がある。
さらに、これまでの震災の記録を見直すと、被災者の救出に、
近隣住民の共助が大きな力になっていることが分かる。
高齢化が進む今、地域の力を確保することは大きな課題。
そこで、静岡県では2002年から中高生が防災訓練に参加している。
若者たちが、地域で活動することが当たり前の世の中になっていくことが、
一つの課題解決に繋がるのではないかと取り組んでいる。
2016年9月23日(金)21世紀倶楽部月例セミナー
演題:「減災」から「防災社会」へ
講師:岩田孝仁 氏 静岡大学防災総合センター教授
【講演概要】
阪神・淡路大震災以降、できるところから被害を減らす「減災」という造語が使われ始めた。
しかし「減災でよし」としてしまうと、対策も「この程度でよい」との甘えになりかねない。
そこで今は、しっかり「犠牲者ゼロ」を目標に掲げ、
「減災」から「防災」の考え方に原点回帰している。
現代の社会環境は、排水能力が上がり河川整備も進んだことで、
一般的な台風や大雨が来ても普段と変わりなく生活できる。
こうした、日常の中で災害を想像できないことが、
レベルの高い災害に見舞われたとき、想定外の被害を生んでしまうのではないだろうか。
克服するには、ハード面の強化と共に、皆の想像力と知恵を高める必要がある。
南海トラフ巨大地震は、静岡県民の生活圏の大部分が、
震度6強~震度7に見舞われると想定されている。
これまで、住宅の耐震化は最終的に個人の意思決定に託されてきた。
しかし、高齢者単独の古い住宅の耐震化課題もあり、今後は都市計画事業など、
積極的な公的資金を投入した事前復興※の仕組みを検討すべきと考えている。
また津波対策では、防潮堤や水門などのハード対策と、
自ら避難する意識づけというソフト対策の両者が、
車の両輪のごとく実行されていく必要がある。
さらに、これまでの震災の記録を見直すと、被災者の救出に、
近隣住民の共助が大きな力になっていることが分かる。
高齢化が進む今、地域の力を確保することは大きな課題。
そこで、静岡県では2002年から中高生が防災訓練に参加している。
若者たちが、地域で活動することが当たり前の世の中になっていくことが、
一つの課題解決に繋がるのではないかと取り組んでいる。