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日時:2010年9月29日 15:28 投稿者:pt21c

2010年9月21日(火)

「南アフリカW杯と日本サッカー」」

講師:久保暁生氏(フォトグラファー)、聞き手:澤木久雄氏(SBSアナウンサー)

【講演内容概要】

2010FIFA ワールドカップ南アフリカ大会には、総重量38 kgの機材を持ち込んで取材

にのぞんだ。キャノンの400 ミリカメラをメーンに使用した。通常、国内では1試合

300 枚ほど撮影しているが、ワールドカップでは600~700 枚を撮影した。

試合を撮影するためには、撮影許可を取り、ビブスをもらい、試合ごとに決められ

たカメラマン人数に入らなければならない。自分は通信社に次ぐ優先権があったため、

比較的良い場所で撮影できた。ワールドカップでの初ショットは、8万人が入るスタ

ジアムを魚眼レンズで撮影。あらかじめ「こんなショットを」と考えていたものだ。

ワールドカップ開幕間際は、正直誰もが日本チームに対して期待をしていなかった。

しかし合宿所や試合会場で、目標に向かい努力している日本選手の姿は時間を追うご

とに大きく見え、強豪カメルーンに勝利してからはより一層、チームが一丸となって

成長している様子を感じることができた。

スポーツ写真はすべてにいえることだと思うが、プレースタイルで選手を判断し、

常に動きを予測してシャッターをきる。デンマーク戦での遠藤のフリーキックは、カ

メラマンたちの予想をはるかに上回る美しいゴールだった。決勝トーナメント出場を

決めたときには、誰を被写体にするか迷ったが、自分は岡田監督を選択。スタジアム

に向かって頭を下げている姿だった。長谷部キャプテンは空を見上げ何かを叫んでい

た。あとで記者から聞いた話だが、それは亡くなった大好きな祖父に向かって報告を

していた姿だったようだ。

最後に惜しくもPK をはずしたシーン。駒野選手を他の選手達が支え励ます姿は「今

回のワールドカップの日本チームの姿」として、見る観客を納得させてくれた。スポ

ーツは負けから学ぶこと、悔しさから得られることがたくさんある。今回のワールド

カップは日本チームが次のステージへ向かう大きなステップになったと思う。

自分自身もプロスポーツカメラマンとして、スポーツの持つ偉大な力、魅力をさら

にもっとさまざまな人たちに紹介していけたらと思っている。いい写真が撮れれば、

それに比例してチームの成績は良くなっていく。今のジュビロがその状態にあると思

う。これからのジュビロを期待している。


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