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イベント関連:月例セミナー

日時:2023年8月 8日 13:49 投稿者:pt21c

静岡県の中小企業におけるDXの現状と課題
講師 公益財団法人 静岡県産業振興財団
ふじのくにICT人材育成プロデューサー 阪口瀬理奈 氏
※ DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術
によって、ビジネスや社会、生活スタイルを変えること。
【講演概要】
簡単な質問をすると、すぐに箇条書きに構造化された見やすい情報が
返ってくるChatGPT(チャットジーピーティー)は皆さんも関心が高い
様子。こうしたAIチャットの開発はAlexa(アレクサ)が登場した頃から
大きく変化し、2020年の大規模言語モデルの登場で進化が加速。いまや
生成系AIは文字だけでなくイラストを描く技術も進み、さらに進化速度
を高めていくだろう。
AIをうまく使い切らなければ「時代遅れ感」が出てしまい、新しい人
材確保が難しくなる。より早く多様性の高いチームマネジメントを構築
することが重要だ。そのため社員育成には、失敗を恐れず新たなことに
チャレンジし学びたいと思う雰囲気作りと、実際に業務時間内に研修参
加させるなどの企業支援が大事。実際、全社員に有料講座を学ばせたこ
とでAIの新規事業に繋げた企業もある。
山形県のある金型製造企業は新社長がデジタル化を進めたことで倒産
寸前から黒字転換することができた。変化にストレスを感じる社員が多
いため、まずは日頃使うボールペンを変えることからスタート。駐車場
の停め方、ランチの時間など小さな変化を積み重ね、やがて制服や社是
を変更。同時にDXのキーパーソンを育成したことで勉強会など学び直し
の文化を社内に定着させることができた。
デジタル人材育成のスタートでは、社員の現状レベルと目指すレベル
を明確にすること。参考にしてほしい「中小企業用デジタルスキル標準
(17項目)」の中には「ChatGPTの活用」を盛り込んでいる。ITが苦手な人
ほど利用してみると飛躍的に学びやすくなるのでぜひ試してほしい。ま
た各種セミナーを利用するのもおすすめ。例えばベルトコンベア上で商
品を撮影し、AIで不良品を判断させるリアルな技術講座は各社のDX担当
者が数多く参加し大変好評だった。
さらに日頃からの意識改革も重要。ツイッターへ発信したり、社内で
社会トレンドを発表し合ったり、日常的にデジタルの話が入る環境を創
ることが大切だ。この他、デジタル・イノベーション拠点「SHIP(シッ
プ/静岡市)」やイノベーションハブ拠点「FUSE(フューズ/浜松市)」
にも注目。さまざまな業種の人材がマッチングし新事業が立ち上がるケ
ースも増えているので、こうした場を利用し交流・情報収集をするのも
良い。
何はともあれ組織の雰囲気を変化させることが最も肝心。その足掛か
りとして、①「ビジネスチャットツールを利用してみる」②「テレワー
クを実運用する」③「新しいことをやりたい社内ムードづくり」の3点
から始めてみては。


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