9月の例会は、都内に本社を置く「MIKAWAYA21株式会社」の代表取締役
青木慶哉氏を講師に迎え、「シニア向けビジネスの可能性」をテーマに
講演していただきます。
青木氏は新聞販売店オーナー時代から着目していたシニア向け生活サポート
「まごころサポート」事業をスタートさせ、今では全国展開するまで事業を
拡大させています。
日時は、9月28日(木)午後6時から。
会場は浜松プレスタワー17階静岡新聞ホールです。
10月の例会は、元浜松市博物館館長で、現在浜松市文化財課の専門官を
務める太田好治さんを講師に迎え、徳川家康公や築山殿、西郷局といった
家康公の身内とゆかりのある浜松市の歴史遺産について講演していただく
予定です。
日時は、10月26日(木)午後6時から。
会場は浜松プレスタワー17階静岡新聞ホールです。
2023年8月28日(月)21 世紀倶楽部月例セミナー
持続可能な社会を次世代へ
~やさいバス株式会社の挑戦~
講師 やさいバス株式会社
代表取締役社長 加藤百合子 氏
【講演概要】
産業機械やロボットの研究開発の業界にいた私(千葉県出身)が
静岡に来て20年以上、㈱エムスクエア・ラボを立ち上げて14年に
なる。環境問題や食糧不足という大問題を目の前にしているが、
解決しない課題は無いと考えている。自給率向上に向けた本気の
取り組みが少しずつ動き始めている今、農業の魅力を「農業×
ANY=HAPPY」という方程式で表現し、さまざまな事業(生産法人、
流通、農業ロボット・システム研究開発、人材育成等)を行って
いる。
作物生産者と使う人を繋げる仕組みを作ったのが約10年前。商
品価値を伝えることでお互いの利益は見えたが、物流費が課題だ
った。そこで「やさいバス」の物流サービスを構築した。生産者
はネット注文に応じて拠点(集配場所)へ出荷。各拠点を経由し、
野菜が乗ったり降りたりして共同配送するシステムだ。コロナ禍
の影響で大打撃を受けたが、反対に各地で地産地消を考える意識
が高まり、小売業とのネットワークも拡大。全国で地域循環の意
識が湧き上がっている。
人同士の信頼がベースとなっているため、集配場所ではそれぞ
れ個性的なコミュニティが誕生しているところも多い。また、実
際のバス会社がやさいバス業務を連携する地域や、走行距離から
CO2排出量削減をアピールする企業もある。社会は確実に持続可
能な分散型の循環社会へと向かっていることを実感している。
農業の人手不足については、自動走行や遠隔操作により防除・
除草・運搬などができるモビリティを企業とタッグを組み開発
中。こうした研究開発にはモノづくり企業の多い浜松が今後、
大きな力を発揮できると期待している。
人材育成では農業経営を通じて子供たちに生き抜く力を育んで
ほしいと「ジュニアビレッジ」を実施。地域の小中学生が栽培し
た作物を商品にして販売。会計集計しお世話になった方へ御礼す
るまでを体験するプログラムで、子供と大人が成長し合える機会
となっている。
人材成長の方程式は「情報×論理的思考力×素直さ」。素直さ
がなければ成長はない。さらに新規事業を打ち立てたとき「表現
力」は確実に事業を無限大にしていくことができる。日本は品質
の高いモノづくり力は素晴らしいが、それをさらに活かす表現力
を伸ばすことが必要だろう。
新たなチャレンジには勇気がいるが、動き出せば共感する仲間
たちが次第に集まってくる。現在の若者は、給与より「自分の思
いを地球や社会に果たすことができるか」に重きを置く。地方に
は自然資源や人間共助の仕組みが豊富にあるので、これらを活か
し「明るい未来を皆で創ろう」と若者たちに示すことができるは
ず。21世紀倶楽部の企業がタッグを組み、新プロジェクトを立ち
上げてみるのも面白いのではないだろうか。