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イベント関連:月例セミナー

日時:2021年2月 3日 16:19 投稿者:pt21c

講師:日本銀行静岡支店 野見山浩平 支店長
演題:「静岡県経済の現状と今後の展望」
【講演概要】
 まず新型コロナウイルス感染症が日本経済全体に与える影響をみると、
対面型サービスの戻りは遅れているものの、全産業ではコロナショック
前の活動指数を100とすれば95ぐらいまで持ち直している。就業者数
も、雇用調整助成金など国の対策が奏功して大きく崩れていない。
 海外経済をみると、アメリカはデジタル関連が好調。感染抑制と経済
活動の両立が進む中、持ち直している。また今年共産党結党100周年
を迎える中国は主要国唯一のプラス成長。電力・通信・医療の成長分野
への投資が活発であるほか、個人消費も自動車などを中心に高い伸びを
みせている。
 リーマンショック当時と比べると、今回は金融・経済政策が早期かつ
大規模に発動され、金融システムや金融市場も安定している。このため
持ち直しペースも早い。静岡の経済をみると、業種によるばらつきは大
きいが、ものづくりの強みを発揮しつつ持ち直している。観光も今は第
三波により厳しい状況であるが、大都市圏から出かけやすい立地にある
のは確か。個人消費については巣ごもり消費、特にネット通販はこれま
で少なかった高齢者の利用が増えたことが劇的な変化。また近場の県内
観光が見直されたことも特徴といえる。
 企業にはコロナショックによる収益減でリストラや雇用所得面の悪化
がみられる一方、設備投資は全国対比回復が進んでおり心強い。経営者
が生き残りをかけて投資を続けている証といえる。
 今年も下振れリスクは大きいが、追加経済対策、米中の景気回復、ワ
クチン普及がプラスに働くほか、世界で脱炭素やSDGs(持続可能な開発
目標)など新しい成長分野に向けた歩みが加速していく。ビジネスチャ
ンスをつかめるか日本企業の競争力が試されるだろう。
 政府がデジタル庁の新設などの取組みを積極化する中、日銀も国税納
付などのキャッシュレス化を推進している。また発行時期は未定だが、
デジタル通貨の準備にも取り掛かっている。「デジタル化」には、現在
の仕事を抜本的に見直すことに加え、外部業者に依存せず、社内にデジ
タルに明るい人材を育てることが求められる。デジタル化のメリットを
生かすには一人ひとりがスキルや専門知識を磨く必要。他流試合型の人
材開発がますます重要になろう。
 今回のコロナショックは日本経済のデジタル化、働き方改革、人材投
資を再起動するきっかけにしなければならない。豊かな日本を次世代に
引き継ぐために、形式主義や人手への依存といった様々な「慣習」を見
直し、成長力の引上げを目指していきたい。


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