日時:2019年12月 5日 13:00 投稿者:pt21c

講師:湖西市長 影山剛士 氏

演題:次世代型「職住近接」社会の構築に向けて
  ~福祉・公共交通・道路・立地適正化計画~


【講演概要】
 湖西市は一事業所当たりの出荷額が高く世界に誇る工
業のまちで職場は数多い。しかし、働く人は市外在住者
が多く市外への所得流出が大きい。人口は10年前から約
3千人が減少し6万人。今後いかに人口減少を食い止め市
内に定住してもらうかが課題だ。そこで令和元年度予算
のキーワードを「職住近接」とし昼夜間人口差を解消し
移住・定住の促進を重点的に行うことにした。例えば持
ち家または分譲マンション購入者に最大100万円を支給
する定住促進奨励金制度を本年10月から新たな取り組み
としてスタートさせた。また、市内定住就職者に企業と
連携し奨学金返済を支援する制度の検討を進めている。

私が目指す湖西市の柱は5つ。
①「幸福度日本一のまち」を目指し子ども医療費の無料化
 やこども園化、湖西病院の経営改革、産婦人科の誘致に
 力を入れている。
②「活気あるまちづくり」では三遠南信自動車道に続く
  浜松三ヶ日・豊橋道路の整備とインターチェンジ確保
  の実現、市民会議により市民交流複合施設等の具体化
  推進、令和2年度末の立地適正化計画策定に向け推進
  協議会を設置。さらに豚の飼養頭数県内一位を誇る
  まちとして臭気解消を進めたり、若い世代の柔軟な発
  想で市の魅力を発信してもらう取り組みをしたりして
  いる。
③「日本一思いやりのあるまちづくり」では高齢者を福祉
  と地域公共交通サービスの両面からバックアップ。
  デマンド型乗り合いタクシーサービスの実証実験や次
  世代運行サービスについての研究も進めている。
④「命を守る防災対策」には地震だけでなく台風対策も必
  須。そして独自の取り組みとしては津波避難経路表示
  シートや浸水想定を地面に埋め込んだハザードマーカー
  を市内各所に設置して対策を充実させている。
⑤「産業振興によるエネルギッシュなまちづくり」では
  浜名湖西岸地区に新たな工業団地を造成予定。
  働き定住してもらうインフラ整備を進めていく。

 さらに観光振興では新居関所保存整備事業としてタブレ
ットを使用したVR体験をスタート。観光DMOと連携し再来
型・滞在型の観光を推進。来年7月にはキューバ発の「ヘ
ミングウェイカップ」を新居浜名港を中心に開催予定
(大会名:浜名湖 キューバ ヘミングウェイカップ)。
一過性でなく継続した浜名湖の観光振興イベントにできれ
ばと考えている。加えて新居弁天には海水浴場やプールの
夏季シーズンスポットのみならず足湯やドッグラン、キャ
ンプやホテルなど通年利用できる複合施設として整備を進
めていきたい。市長となり3年、課題を実感し必要な事を
スタートさせているところだが、常に10年後30年後を見据
えて進まなければならないと思う。浜松市とも広域で連携
して進めていきたい。


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