講師: 株式会社あしたのチーム代表取締役 髙橋 恭介 氏
演題:人事評価制度による働き方改革推進の最前線 ~生産性向上のカギ従業員エンゲージメントとは~
【講演概要】 株式会社あしたのチームは、報酬連動型人材育成プ ログラムによって、中小・ベンチャー企業の社員と組 織に力を与える会社として2008年に設立した。 ビッグデータを元にしたAIを使い、人事評価サービ スを「見える化」することで、企業の業績向上だけで なく好循環サイクルを生み出すチーム作りを実現させ ている。現在、最低賃金の引き上げや後継者不足、社 会保険料の負担増など中小企業の負担はますます大き くなっている。こうした厳しい状況下で企業の生産性 を向上させていくには「従業員エンゲージメント」を 高めることが重要だ。エンゲージメン トとは「社員 一人ひとりが企業の掲げる戦略・目標を適切に理解し、 自発的に自分の力を発揮する貢献意欲」を言う。実際、 エンゲージメントが高水準の企業は低い企業に比べて 1年後の営業利益率の伸びが3倍という効果が示され ている。ところが2017年米ギャラップ社の調査による と、日本におけるエンゲージメントスコアは、残念な がら 世界最下位レベルを示している。従業員満足度 アップのため、福利厚生や労働環境、待遇の見直しに 取り組んでいる企業は多いと思うが、それだけではコ ストがかかるだけで効果は望めない。そればかりか優 秀な社員が 働きにくくなってしまう。これまで日本の 一般的な企業で使用されていた目標管理シートは多項目 でそれらに優先順位が無く、多くが5段階評価の3に 留まることが多いものだった。そのため平等という名の 不平等を踏襲し続けてきてしまった。 しかし、新たな人事評価制度は、数を絞り優先順位を 定め、社員一人ひとりの目標を定めている。中間点を無 くし4段階評価にすることで評価する側にも意思が入る。 そして現場での具体的な行動目標を設定するため人材育 成や上司と部下のコミュニケーションにもつながり、 生産性が向上する 。目標設定の方法は、経営側が十分な 材料を提供しながら部下への期待と要望を提示する。 それを受けて社員は自ら目標を設定し、上司と話し合い ながら加筆・修正し確定する。これは時間もかかるが、 愚直に進めることで企業の方向性に対する理解が促進さ れる。また、個人面談によってコミュニケーションを 強化することで上司との信頼関係が醸成され、帰属意識 が高められる。さらに目標への達成度に応じて正当に 給与が決まる仕組みが構築されることで、より行動意欲 を高めることができる。 つまり、何を頑張ればいいのか、実現したら自分がど う報われるのか、社員にきちんと示すことこそが、 「働き方改革」の推進に欠かせないポイントだ。
2019年8 月 20 日(火)21世紀倶楽部月例セミナー
講師:
株式会社あしたのチーム代表取締役 髙橋 恭介 氏
演題:人事評価制度による働き方改革推進の最前線
~生産性向上のカギ従業員エンゲージメントとは~
【講演概要】
株式会社あしたのチームは、報酬連動型人材育成プ
ログラムによって、中小・ベンチャー企業の社員と組
織に力を与える会社として2008年に設立した。
ビッグデータを元にしたAIを使い、人事評価サービ
スを「見える化」することで、企業の業績向上だけで
なく好循環サイクルを生み出すチーム作りを実現させ
ている。現在、最低賃金の引き上げや後継者不足、社
会保険料の負担増など中小企業の負担はますます大き
くなっている。こうした厳しい状況下で企業の生産性
を向上させていくには「従業員エンゲージメント」を
高めることが重要だ。エンゲージメン トとは「社員
一人ひとりが企業の掲げる戦略・目標を適切に理解し、
自発的に自分の力を発揮する貢献意欲」を言う。実際、
エンゲージメントが高水準の企業は低い企業に比べて
1年後の営業利益率の伸びが3倍という効果が示され
ている。ところが2017年米ギャラップ社の調査による
と、日本におけるエンゲージメントスコアは、残念な
がら 世界最下位レベルを示している。従業員満足度
アップのため、福利厚生や労働環境、待遇の見直しに
取り組んでいる企業は多いと思うが、それだけではコ
ストがかかるだけで効果は望めない。そればかりか優
秀な社員が 働きにくくなってしまう。これまで日本の
一般的な企業で使用されていた目標管理シートは多項目
でそれらに優先順位が無く、多くが5段階評価の3に
留まることが多いものだった。そのため平等という名の
不平等を踏襲し続けてきてしまった。
しかし、新たな人事評価制度は、数を絞り優先順位を
定め、社員一人ひとりの目標を定めている。中間点を無
くし4段階評価にすることで評価する側にも意思が入る。
そして現場での具体的な行動目標を設定するため人材育
成や上司と部下のコミュニケーションにもつながり、
生産性が向上する 。目標設定の方法は、経営側が十分な
材料を提供しながら部下への期待と要望を提示する。
それを受けて社員は自ら目標を設定し、上司と話し合い
ながら加筆・修正し確定する。これは時間もかかるが、
愚直に進めることで企業の方向性に対する理解が促進さ
れる。また、個人面談によってコミュニケーションを
強化することで上司との信頼関係が醸成され、帰属意識
が高められる。さらに目標への達成度に応じて正当に
給与が決まる仕組みが構築されることで、より行動意欲
を高めることができる。
つまり、何を頑張ればいいのか、実現したら自分がど
う報われるのか、社員にきちんと示すことこそが、
「働き方改革」の推進に欠かせないポイントだ。