日時:2019年3月 3日 15:48 投稿者:pt21c

講師 常葉大学名誉教授田中誠一氏

演題 「TOKYO OLYMPIC GAMESを顧みて2020TOKYO OLYMPIC GAMESを考える」

【講演概要】
日本のスポーツサイエンスの水準が飛躍的に伸びたのは、1964年の東京オリンピックといっていいだろう。
それまではスポーツ界で活躍した人が先頭に立ち、選手を強化するのが伝統だった。
そうした中、三段跳びで活躍した田島尚人や、走り幅跳びの元世界記録保持者である南部忠平などが
「一から学び直そう」と声を上げた。強化コーチが選抜され、世界のトップレベルの有識者を招き、
スポーツ科学を勉強し直すことになったのだ。当時28歳だった私も参加させていただき、
「研修・強化トレーニング過程の報告書」を全世界に発信した。
高橋尚子選手のトレーニングで注目を集めた高地順化トレーニングは、高地の低圧作用研究が活かされた。
また、二人の循環器の医師による共同研究がインターバルトレーニングを生み出すなど、
世界の研究者の知識が日本のスポーツ界に生かされていったのだ。こうした先輩方の築き上げたベースが功を奏し、
今や日本のスポーツ界は世界のトップレベルに至っている。
昨今、スポーツ各界のパワハラ問題などが取り沙汰され、非常に残念である。「昔の体質」などと言われているが、
昔であってもこうした問題はほとんどない。くれぐれも誤解のないようにしていただきたい。
経済的見地では、「莫大に費用のかかるオリンピックが無ければ、もっと早く日本は復興していたのではないか」と
論じる経済学者もいる。しかし、アジア初のオリンピックを開催したことで、戦後の日本が新幹線や首都高速道路を開通させ、
大いに発展したことを知らしめたのは事実である。
次なる2020年オリンピック・パラリンピックが近づいてきた。開催に向けて準備が進められているが、
必ずしもすいすいと風を受けてヨットが進んでいる状態とは言えない。我々は、施設建設費、運営費など、
多くの経費がかかるリスクもしっかり認識した上で、2020年大会を迎えなくてはならない。
とはいえ先述の通り、前回オリンピックから50年以上を経た日本のスポーツ水準は飛躍的に高くなっている。
歴史に残るメダル数を獲得することを期待している。


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