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日時:2018年3月 2日 10:39 投稿者:pt21c

演題:最近の金融経済情勢

    ~2018年の課題と展望~

講師:小髙 新吾氏(日本銀行静岡支店長)

【講演概要】

日銀はわが国のデフレマインドの抜本的転換のため「量的・質的金融緩和政策」を

導入し、2%の物価上昇率目標を目指している。徐々に政策効果が見られ経済状況が

改善してきていることから、2年後には目標に達するだろうとみている。

日本経済の実質GDP を見てもここのところ連続してプラスが続き、それに伴い消費の

動きも見られ、全体的にバランスが取れた成長になってきた。

県内の状況を見ると、以前はリーマンショックの影響から全国より落ち込みが

激しかったが、景気動向では設備投資や輸出も増え、個人消費も持ち直してきている。

昨年この場で「緩やかに回復しつつある」と説明したが、今年は「緩やかに拡大」

と状況が上向いた。今後のポイントは、企業がどこまで所得環境好転を持続できるか、

また世界経済の動向にも注視し、人口減少時代へ迅速に対応することが大切になる。

なかでも人口減少と人手不足には、「女性・高齢者の就業促進」と

「ITやAI導入や事業再編」を進めることが必要だろう。

女性や高齢者の労働力率は着実に上昇しているが、静岡県は子育て中の

女性正規雇用者の割合が全国の中でも低く保育所も少ない。

しかし「ずっと仕事を続けるほうがよい」と考えている女性は多く、

長く働くことができる環境づくりが急務といえる。

また労働生産性を上げるには、これまでと異なる分野にチャレンジし、

付加価値を付けて生産性を上げる努力が必須である。タブレットを導入する飲食業、

ドローン活用の建設業、ロボット導入の医療福祉分野など生産性を上げる取り組みも

見られるようになってきた。さらに多くの知恵を発揮するため、あらゆる業種について

静岡が持っている優れた技術力を活かして後進の育成を図り、グローバル化の中、

オール静岡で取り組みながら生産性アップを目指していくべきであろう。

ぜひ更なる挑戦をして飛躍の年にしてほしい。

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日本銀行金融研究所貨幣博物館は2015年に30年ぶりにリニューアル。

貨幣制度史に加え「お金の使われ方」等も展示中(入場無料、土日開館、

半蔵門線三越前駅から徒歩1分)。また日銀静岡支店では

店内見学も行っているのでご利用を。


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