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日時:2017年10月30日 13:19 投稿者:pt21c

演題:地方創生とプロ人材活用

講師:中嶋 壽志氏(静岡県プロフェッショナル人材戦略拠点マネージャー)

【講演概要】

大学生・大学院生への調査で、大半が東京圏で働きたいと考えているという結果がある。

実際、地方都市から毎年10万人の20代若者が首都圏に出ていく現実があり、

地方の企業は、せっかく大学生を採用しても定着せず、

短期間で辞めてしまう悩みを抱えている。

これは地方に魅力ある仕事(高給=労働生産性の高い仕事)が少ないことが問題。

これまでは地方でも製造業は比較的賃金が高かった。しかし現在の産業構造では、

「ものづくり県」と言われた県内の製造業が減少し、

そこで溢れた人材は医療・福祉などのサービス業へ流れている。

特に自動車メーカーの海外生産率が高くなるにつれて当地域の生産は減少した。

それに伴い県内の製造比率は下がり、中でも浜松市の製造出荷額増加率の

落ち込みは激しく、大きな構造変化が起こっている。

こうした状況を改善し、地方に人材を還流させようと、内閣府の地域創生の

考えから誕生したのが「プロフェッショナル人材事業」だ。

拠点は東京以外の46道府県にあり、企業側の立場で求人情報を発信し、

登録された民間人材派遣会社と連携して進めている。

現在静岡県のマッチング率は全国一位。企業は採用が決定した場合は

成功報酬(平均は採用者年収の30~35%)を支払うが、

専門分野に10年以上実務経験した県外人材を採用した場合は、

静岡県から補助金を受けることができる。さらに今年度は都市部大企業と連携し、

長年活躍してきた役職定年者に、地域で経験を活かしてもらうことを進めている。

地域が元気になるためには、企業自体も変わることが必要。

それには「人」がとても重要である。販売戦略は分析しても人材戦略を

検討する企業は意外に少ない。失敗しない採用のポイントは、

学歴やそれまでの仕事内容を重視するのではなく、

その人に「会社で何をしてもらいたいか」をはっきりさせること。

そして相手が「この人と一緒に仕事をしたい」と思う優秀な

人材を面接担当にすることが大事。プロ人材とうまくマッチングできれば、

教育費をかけず即戦力で成果を上げることができる。

ぜひ求人の際はお気軽にご連絡を。


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