演題:防衛駐在官 勤務雑感
講師:空将補 谷嶋正仁氏 航空自衛隊第1航空団司令兼浜松基地司令
【講演概要】
私は平成20~23年に防衛駐在官としてポーランドに赴任した。
防衛省から外務省に出向した自衛官は外務事務官として、
大使館などの在外公館に勤務する。防衛駐在官の派遣人数は
世界44大使館2代表部へ陸・海・空合わせて64名(平成28年度末時点)。
2013年のアルジェリア人質事件以降、安全保障の重要性から近年増加傾向にある。
主な業務は大使の軍事的補佐や日本の安全保障政策等の発信、防衛交流や協力促進、
日本からの来訪者対応など幅広い。特に任国や任国の関心国の軍事に関する
情報収集では人脈作りが欠かせない。そのため「自宅設宴」と称するホームパーティに
要人を招いたり、各種行事や会食会に参加して日本文化を紹介したりした。
大学教授などの知識人と会うときには、自分の意見を伝えるため事前の勉強を心掛けた。
夫婦同伴の席も多く、社交性豊かな妻の功績は大きく、大変感謝している。
ポーランドの面積は日本の約85%、人口は約30%。親日家が多い理由は、
過去に多くの残留孤児を救った日本への感謝の気持ちや、
敗戦国から見事に経済復興を遂げた尊敬の念はもちろん、
最近では寿司やアニメなどの影響も大きい。また武道も盛んで武士道精神を
共通認識できる精神面での繋がりも見逃せない。
経済はGDPが日本の12%程度、欧州諸国の第6位で、
2009年の経済危機の中欧州唯一のプラス成長国。東日本大震災の折には政府から
約3000万円の義援金や一般市民による募金活動で支援してくれた。
国土が隣国によって分割され消滅した経験を持つポーランドは、
安全保障に関して非常に高い意識を持ち、NATO、EU、そしてアメリカとの
3本柱をいかに太くするかを試みている。そして大国を目指すのではなく、
小国にも耳を傾け代弁できる中二階の立場を目指している。
今後ますますNATOやEUでの地位や発言力が高まると予想される
ポーランドから支持を得ることは、
日本にとってアジア保障の促進を考えてもとても有意義。
これからますます両国の良い関係性を持続・発展していくことを願っている。
平成29年5月例会&懇親会のご案内
5月例会はセミナー講師に、弁護士の渥美利之様をお招きし、
「法律実務に見る現代親族間紛争と家庭教育」と題して講演いただきます。
セミナーでは離婚、相続等の親族間紛争が社会変化に応じて様相を変転しており、
紛争の根源には幼少期の家庭教育及び親子関係の
存在が大きいとの思いをお話いただきます。
会員の皆様には、多数参加いただけますようお願い申し上げます。
日 時 5月22日(月) 18:00~セミナー 19:00~懇親会
会 場 プレスタワー17階 静岡新聞ホール
講 師 弁護士 渥美 利之(あつみ・としゆき)氏
テーマ 「法律実務に見る現代親族間紛争と家庭教育」
◇講師 略歴◇
昭和27年生まれ。浜松市北区三ヶ日町の出身。
中央大学法学部法律学科を卒業後、司法試験に合格し弁護士となる。
浜松市内で渥美利之法律事務所を開業し、
平成24年に県弁護士会会長に就任。
現在は、静岡家庭裁判所委員会委員、浜松市教育委員、
浜松医大病院臨床研修管理委員会委員などに就任され、活躍中。
☆6月からの講演会予定☆
6月19日(月) 講師:鈴木 康友氏 (浜松市長) ※倶楽部総会17:00~ 講演17:30~
7月20日(木) 納涼祭
8月21日(月) 講師:清水 秀樹氏(長野県売木村村長)