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日時:2017年3月29日 13:53 投稿者:pt21c

演題:いい子はいらない

講師:白井三郎氏 静岡県ラグビーフットボール協会副会長

【講演概要】

世の中に先生といわれるのは2種類。

一つは命を預けるドクター、もうひとつは心を預ける学校の先生。

私は教科を教えるだけの教師ではなく、子供たちが心を預けられる

先生になりたいと長年努めてきた。ラグビーは前後半通して80分間。

ポジションによっては、一度もボールに触ることなく、

ずっとぶつかり合う痛みに耐えながら走り回る選手たちがいる。

チームのために力を尽くす人間がいるからこそ、最後にボールを回された人間が

トライできる。ラグビーはまさに「ワンフォーオール」のスポーツだということを

意識して観戦してほしい。私は人間形成には喜怒哀楽全てが必要だと思う。

しかし現在は子供たちに「喜・楽」ばかりを与え、辛く悲しい経験を

回避してしまう大人が多い。助けることは大人として楽である。

その気持ちを我慢して「怒・哀」を経験させることで子供は成長していく。

そして人を動かすために大切なのは「その気になる場を与え、やる気にさせる」こと。

それには互いの付き合い方が重要だ。決して上から強く押し付けるのではなく、

生徒を信頼し心を通わせ、一緒に悩み考えていく。すると生徒たちは自ら考え、

行動し、どんどん育ってくれる。これは私が生徒から教えられたことだ。

一般的に「いい子」というのは大人にとって手のかからない子供というだけで、

それが「いい奴」になるとは限らない。温室育ちの「いい子」ばかりを育てると、

どこかでしっぺ返しが来るように思う。成長過程では多少手のかかるヤンチャな生徒も、

信頼という水をやり続けることで、多くの喜怒哀楽を肥やしにして

「いい奴」に育っていく。そう導いてあげるのが先に生まれた大人の役目なのだ。

「生徒は教師の鏡 子は親の鏡」。生徒を見れば指導した者の姿が分かり、

子供を見れば親の様子を理解できる。私は自分の大切な生徒のためなら

大変なことも我慢できる。同じく親たちも愛する子供のためなら我慢できるはず。

もがき、あがくことで山を越えると、子供たちは強く大きく成長していく。

こうした経験から、自分の要となる大切なものを自ら見いだし、

ブレない人間に育っていってくれるに違いない。


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