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イベント関連:月例セミナー

日時:2016年4月13日 18:00 投稿者:pt21c

平成28年3月18日(金) 18:00~ プレスタワー17階 静岡新聞ホールにて開催しました

  演題    次世代交通システムの概要と浜松の公共交通
          ~コンパクトシティと交通を取り巻く様々な環境について~

  講師     宮田 洋 氏   (遠州鉄道株式会社  取締役運輸事業本部長)

【講演概要】
 少子高齢化と財政・経済が縮小するなかで、将来にわたって持続可能な社会を構築するためには、

コンパクトシティの実現が不可欠。コンパクトシティとは、日常生活に必要な医療、福祉施設、

行政サービス、商業施設などが住まいに近接している街のことで、実現するためには、

公共交通ネットワークが鍵とされている。

 従来の路面電車が高度化された「LRT(次世代型路面電車システム)」は、市街地の状況に応じて

走行路を選択でき、バリアフリー性、定時制・速達性が高いのが特徴。街のシンボル的役割としても

期待できる。

 また、専用道路やレーン上を運行することで、通常の路線バスより高速かつ定時性を確保できる

「BRT(バス高速輸送システム)」は、鉄軌道の廃線敷をバス専用道として有効活用でき、

鉄軌道と比較しても、低コストで導入できるメリットがある。

 しかしどちらも、導入が目的ではなく、あくまで街づくりのための手段であり、車から鉄道やバスに

変わろうとする市民の意識が何より重要であることを忘れてはならない。
 浜松市の現状を見ると、公共交通分担率は全国政令都市中最下位で、典型的な自動車依存都市といえる。

さらに、複数の機能拠点を公共交通で連携させる街づくり計画を立てながらも、JRや遠州鉄道沿線は

市街化調整区域が多く、効率的な土地利用の展開しにくい課題を持っている。

 とはいえ、市内では既にPTPS(信号制御で、専用・優先レーンのバスをスムーズに走らせるシステム)の

運用が始まっており、12分間隔で運行する遠州鉄道線は、LRTに近い役割を担っているともいえる。

そこで、既存の遠州鉄道線を、LRT並みの利便性に高め同時にBRT活用を検討していくことで、

コストをかけずコンパクトシティ実現を目指すことができると考えている。過度な自動車依存から、

誰もが便利に移動できる公共交通を、行政の街づくりと共に推進していきたい。


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