日時:2016年4月28日 12:41 投稿者:pt21c

演題:航空自衛隊の教育と訓練
講師:平塚弘司 氏
    航空自衛隊第一航空団司令兼浜松基地司令 空将補


【講演概要】
航空自衛隊浜松基地は、全国の航空基地の中で、敷地面積は8番目の大きさ。

所属人数は入間基地に次いで2番目に多い。基地としての役割は

「教育」「飛行場」「防災災害対応」で、

2550mの滑走路を挟んだ南北に建物があり、南側は学校で北側はT4を使った

飛行訓練基地となっている。

一般幹部候補生の養成例を挙げると、最初に奈良基地で40週に及ぶ

長期の新人教育カリキュラムを受ける。机上で知識を学ぶ以外に、3時間の遠泳や、

ライフルを担いで一昼夜約60kmの歩行訓練等を体験。

それまで自信が無く不可能と思われる事も、達成することで自信となり、

次なる困難にも前向きに進むことができる。また、団体戦経験では、

グループの中で自分の得手・不得手を認識し、

組織の一員として自分に課せられた役割、

組織としていかに効果を上げるかを強烈に意識させる効果がある。

新人教育後のスペシャリスト教育では、パイロット、整備、施設など

さまざまな役割ごとの専門性を学ぶ術科教育に入る。

中でも飛行訓練は20~30ヶ月の短期間に養成することもあり、

レベルは高く厳しい。ベテランと若手二層の教官が、養成後、自分たちと

各部隊で共に働く同僚を育てる立場から鍛え上げていく。

学生は毎日のフライト実習が評価され、段階ごとにチェックを受け、

レベルに達していなければ脱落。

早ければ一週間でパイロットの夢は絶たれる厳しい世界だ。

自衛隊は、教育において基本知識と技能を身に付け、

さらに実地で学んだ機能をうまく働かせるため、

反復訓練で能力を追求させるのが特徴。

目的達成のために戦略を立て、役割と行動スタイルを作成し、

訓練によって身に付けさせる。そのための人材養成教育の流れになっている。

こうして養成された優秀な人材も、中級、上級と階級が上がるごとに

人数幅が減少するため、中堅以後の人的資源をどのように

運用するかが課題のひとつ。

まだまだ体力も気力も充分な人材が活躍できる再就職支援にも力を入れている。

皆さまの企業で、希望の有資格人材の要望があれば、声を掛けてほしい。

きっと浜松を支える力強い人材になってくれると思う。

また広報館(無料)や航空祭(今年は10月16日予定)にも是非足を運んでいただきたい。


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