講師 田中誠一 氏 (常葉大学健康プロデュース学部教授 )
【講演概要】
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群:略してメタボ)は、既に多くの人に認知されている。しかし生活習慣病の数自体は減っていない。それは60歳未満の就労世代に運動習慣が無いことが問題。高齢者は寿命への危機感から運動する人が増加しているが、中年期に運動を習慣にしてこなかったツケが、60歳以上になって症状に出てくることを理解してほしい。
こうした運動不足は、メタボの次に「ロコモティブシンドローム(運動器症候群: 略してロコモ)」の問題に繋がっている。ロコモとは、骨や関節、筋肉、神経などの運動器の機能が低下し介護が必要、またはその危険性が高くなっている状態のこと。今や「骨折や転倒」「関節疾患」などの障害が、脳卒中や認知症などと並んで、介護の主要因に挙げられている。日本人は平均寿命が世界一になったと鼻を高くしているが、注目したいのは介護なく過ごせる健康寿命。2013年日本の健康寿命は男性が 71.19歳、女性が74.21歳。この健康寿命を延ばせるよう、一人一人が心と身体を作っていくことが中高年層の大きなテーマといえる。
「15分続けて歩けない」「片足立ちで靴下が履けない」「2㎏程度の荷物を持つのが困難」などが思い当たる人は注意信号。予防のためには、日常生活での運動の継続と、バランスよい食事摂取が大切になる。運動は、椅子から立ち上がるハーフスクワットや片足立ち、ウォーキングなどがおすすめ。その場合、休みなく週7日運動するのは疲労ばかりになってしまうため、休息を入れた週4-5日程度が好ましい。
食事は、丈夫な足腰にするため、たんぱく質、カルシウム、ミネラルなどをバランスよく摂ること。そして、カルシウムが運動療法の刺激があってはじめて体に取り込まれるように、運動を並行して行うことを心掛けてほしい。
医療にかかる国家予算は年間1兆円ずつ増え続け、このままでは医療費で破綻してしまう恐れもある。多くの方にロコモを理解し、毎日の暮らしの中で予防に励み、健やかに長生きしていただきたい。
2015年9月17日セミナー レポート
講師 田中誠一 氏 (常葉大学健康プロデュース学部教授 )
【講演概要】
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群:略してメタボ)は、既に多くの人に認知されている。しかし生活習慣病の数自体は減っていない。それは60歳未満の就労世代に運動習慣が無いことが問題。高齢者は寿命への危機感から運動する人が増加しているが、中年期に運動を習慣にしてこなかったツケが、60歳以上になって症状に出てくることを理解してほしい。
こうした運動不足は、メタボの次に「ロコモティブシンドローム(運動器症候群: 略してロコモ)」の問題に繋がっている。ロコモとは、骨や関節、筋肉、神経などの運動器の機能が低下し介護が必要、またはその危険性が高くなっている状態のこと。今や「骨折や転倒」「関節疾患」などの障害が、脳卒中や認知症などと並んで、介護の主要因に挙げられている。日本人は平均寿命が世界一になったと鼻を高くしているが、注目したいのは介護なく過ごせる健康寿命。2013年日本の健康寿命は男性が 71.19歳、女性が74.21歳。この健康寿命を延ばせるよう、一人一人が心と身体を作っていくことが中高年層の大きなテーマといえる。
「15分続けて歩けない」「片足立ちで靴下が履けない」「2㎏程度の荷物を持つのが困難」などが思い当たる人は注意信号。予防のためには、日常生活での運動の継続と、バランスよい食事摂取が大切になる。運動は、椅子から立ち上がるハーフスクワットや片足立ち、ウォーキングなどがおすすめ。その場合、休みなく週7日運動するのは疲労ばかりになってしまうため、休息を入れた週4-5日程度が好ましい。
食事は、丈夫な足腰にするため、たんぱく質、カルシウム、ミネラルなどをバランスよく摂ること。そして、カルシウムが運動療法の刺激があってはじめて体に取り込まれるように、運動を並行して行うことを心掛けてほしい。
医療にかかる国家予算は年間1兆円ずつ増え続け、このままでは医療費で破綻してしまう恐れもある。多くの方にロコモを理解し、毎日の暮らしの中で予防に励み、健やかに長生きしていただきたい。