2015年2月20日(金)18時よりプレスタワー17階静岡新聞ホールにて開催しました。
テーマ 変化をチャンスに!
講師 奥田隆司 氏
シャープ株式会社会長
【講演概要】
シャープは、1912年の創業から現在までの103年の間に、5回厳しい状況に直面した。
関東大震災の窮地ではラジオ受信機を完成させ、ラジオ不況時には国産第一号のテレビ
発売へと繋げ、プラザ合意による超円高のときは、液晶事業をスタートするなど、ピンチの
ときほど、思い切ったイノベーション戦略を打ち出し乗り越えてきた。最近では、2012年以降、
医療・ヘルスケア、食と水と空気の安心安全などの分野にも参入し、生物模倣技術を応用。
プラズマクラスターなど、自然界のメカニズムを積極的にエレクトロニクスに活かし、継続して
きた技術に異分野からの学びを融合することで、線から面を制御できるマネージメント技術へ
広げようと取り組んでいる。日本の失われた20年を振り返ると、右肩上がりの高度成長を前提
にした制度や仕組みが歪になっていたことが分かる。今では、薄型テレビやパソコン、スマート
フォンなど、世界地域別販売シェアを見ると、どれも日本のシェアが小さくなり、存在感が薄くなって
しまっている。今後は、グローバリゼーションを前提に、より一層イノベーションを進めなくては
国際的に生き残ることは厳しいだろう。これまでのように、生え抜きの人材だけで技術を囲い込む
やり方ではなく、異業種や異文化のダイバーシティ(多様性)をうまく取り込み、常に議論する習慣を作り、
人脈を拡げながら、新しいビジネスを誕生させることが大切だと思う。
ビジネスチャンスはスピードよりもタイミングが大切。情報が世界を自由に行き交う現在、
世界の変化・潮流・技術に網を張り、自社の強みをどう活かしていくかが鍵になる。
それには単独行動ではなく、チームイノベーションが大きな力になるだろう。
我が国は高い技術がありながら、マーケティング・営業力やアウトプットが弱く、創造性の低さが課題。
プレゼンテーション力、ディベート力を高め、世界と同等に意見を交わせる人材育成を望みたい。
それには、若い人材を世界会議などへ積極的に参加させ、自ら考え発言する力を身に付けさせたり、
起業体験をさせたりすることが一番の近道。現状に満足せず、何事にも夢と好奇心を持ち、
意見を交わす習慣の中で、知識を知性(知恵)に変えていける「人財」づくり。
今後はこうした人財が、過去の前提を覆し、世の中にない新たな価値を
生み出していくのではないだろうか。
2月例会セミナーレポート
2015年2月20日(金)18時よりプレスタワー17階静岡新聞ホールにて開催しました。
テーマ 変化をチャンスに!
講師 奥田隆司 氏
シャープ株式会社会長
【講演概要】
シャープは、1912年の創業から現在までの103年の間に、5回厳しい状況に直面した。
関東大震災の窮地ではラジオ受信機を完成させ、ラジオ不況時には国産第一号のテレビ
発売へと繋げ、プラザ合意による超円高のときは、液晶事業をスタートするなど、ピンチの
ときほど、思い切ったイノベーション戦略を打ち出し乗り越えてきた。最近では、2012年以降、
医療・ヘルスケア、食と水と空気の安心安全などの分野にも参入し、生物模倣技術を応用。
プラズマクラスターなど、自然界のメカニズムを積極的にエレクトロニクスに活かし、継続して
きた技術に異分野からの学びを融合することで、線から面を制御できるマネージメント技術へ
広げようと取り組んでいる。日本の失われた20年を振り返ると、右肩上がりの高度成長を前提
にした制度や仕組みが歪になっていたことが分かる。今では、薄型テレビやパソコン、スマート
フォンなど、世界地域別販売シェアを見ると、どれも日本のシェアが小さくなり、存在感が薄くなって
しまっている。今後は、グローバリゼーションを前提に、より一層イノベーションを進めなくては
国際的に生き残ることは厳しいだろう。これまでのように、生え抜きの人材だけで技術を囲い込む
やり方ではなく、異業種や異文化のダイバーシティ(多様性)をうまく取り込み、常に議論する習慣を作り、
人脈を拡げながら、新しいビジネスを誕生させることが大切だと思う。
ビジネスチャンスはスピードよりもタイミングが大切。情報が世界を自由に行き交う現在、
世界の変化・潮流・技術に網を張り、自社の強みをどう活かしていくかが鍵になる。
それには単独行動ではなく、チームイノベーションが大きな力になるだろう。
我が国は高い技術がありながら、マーケティング・営業力やアウトプットが弱く、創造性の低さが課題。
プレゼンテーション力、ディベート力を高め、世界と同等に意見を交わせる人材育成を望みたい。
それには、若い人材を世界会議などへ積極的に参加させ、自ら考え発言する力を身に付けさせたり、
起業体験をさせたりすることが一番の近道。現状に満足せず、何事にも夢と好奇心を持ち、
意見を交わす習慣の中で、知識を知性(知恵)に変えていける「人財」づくり。
今後はこうした人財が、過去の前提を覆し、世の中にない新たな価値を
生み出していくのではないだろうか。