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日時:2015年4月23日 15:52 投稿者:pt21c

2014年10月21日(火)18時よりプレスタワー17階静岡新聞ホールにて 開催しました。 

 

演題  危険ドラッグと救急医療 

講師   吉野篤人 氏

        浜松医科大学医学部 救急災害医学講座教授

 

【講演概要】

 災害医療は、①自然災害(地震、竜巻、火山噴火、熱中症等)、②人為災害(飛行機や電車事故 等)、

③複合災害(戦争やテロ等)に分けられるほど多種多様。

そのため、あらゆる災害にも対 応できる準備をしようという「オールハザード・アプローチ」の

考えが大切となっている。

そし て医療側は、「指揮・統制」「安全」「情報伝達」「評価」「トリアージ(傷病者の緊急性や

重症度 に応じて治療の優先を決定)」「治療」「搬送」を基本コンセプトにしている。

 救急医療では、心筋梗塞や大動脈瘤などの循環器疾患、脳卒中、外傷、薬物中毒などに対応す る。

一般的に、死亡率が最も高い中毒は、ガス中毒(一酸化炭素中毒)。

災害現場で二人以上が 倒れていたら、ガス中毒を疑い、周囲の人を脱出させることを優先すべき。

日常の生活でも、暖 房器具の使用時やエンジンをかけ続けた車内などでは、

換気の詰まりに注意が必要。

一方脱法ハーブは2004年頃登場。

大麻ではないため、合法ハーブとして2006年から店舗販売が 始まり、

日本では2011年頃急速に増加した。

店では「規制されている成分や薬物は含まない」と して販売しているが、

規制された薬物と同じような作用を発生させる化学物質を含ませ、いくら 規制しても、

規制外の類似物で作られてしまう。乱用すれば、意識障害、呼吸困難などに陥り、

 死に至ることもある。日本中毒学会学術集会の調査報告では、特にカチノン系の

薬物が混入されているものでは、死亡例が増えていると発表している。

日本ではこれまで、薬事法に基づき、厚生労働大臣が「指定薬物」として

指定した1300の物質 を規制。これらは輸入、製造、販売、授与、販売(貯蔵)が

禁止されていたが、今年4月、さら に所持、使用、購入、譲り受けも禁止となった。

また、警察庁と厚生労働省が、危険性の高い薬 物であることが理解できるよう、

脱法ハーブに変わる名称を公募。その結果、今年7月「危険ド ラッグ」という言葉に決定した。

最近では取り締まりも厳しくなり、危険ドラッグの店舗販売は、 ほとんど消滅したと聞くが、

ネット販売では依然として、芳香剤と称して高価に販売している場 合もある。


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