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日時:2014年5月23日 17:49 投稿者:pt21c

2014年5月20日(火) 18時より開催しました。

 

講師    星野裕信氏( 浜松医科大学 整形外科 准教授)

テーマ  超高齢化社会における 50歳を過ぎてからの運動器メンテナンス術

 

【講演概要】

 日本人の平均寿命(男女総合)84歳は世界第一位。さらに、介護に頼らず身の回りの

ことが自分で できる期間の長さを示す「健康寿命」を調べると、静岡県が堂々全国第一位。

その理由を私なりに 考察してみると、農水産物生産品目数の多さ、飲酒習慣や肥満者の

割合の低さ、ウォーキングが盛んなことやお茶をよく飲む生活習慣等が考えられる。

平成22年の国民基礎調査を見ると、関節痛や骨折等、運動器疾患が原因で要介護、

要支援になる 人が全体の2割を占めていた。つまり、メタボシンドロームと同様に、今後は

ロコモティブシンド ローム(運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態)にも

注目してほしい。 50歳を過ぎてからの運動器メンテナンスを考えてみよう。

大切なのは運動器をケアしようという 動機付け、運動、食事の3つのバランスである。

まず骨粗鬆症対策。カルシウム吸収率が高いのは 乳製品。そしてその吸収を促進するビタミンDは

日光照射によって体内で作られる。また、骨の形 成に関与するたんぱく質活性要素のビタミンKは

納豆に多く、干しわかめやホウレンソウ等にも含 まれる。日本人の伝統的な朝食は骨にいい食事といえる。

逆に骨に悪影響なのがリン。インスタン ト食品、加工食品、清涼飲料水の過剰摂取は、カルシウム排泄が

多くなるので気をつけたい。肥満 対策のダイエットも、食べないダイエットは脂肪だけでなく筋肉や骨密度まで

減らしてしまうので 注意が必要。 運動器の健康を保つ運動のおすすめは、1分間の片足立ちや、

ゆっくりしゃがんで立ち上がるス クワット、寝た状態で踵を約10cm程度あげる等。そして全身運動には

やはりウォーキングがおすすめ。精神的にも幸福感が出て、脳が活性化され、リラックス効果、気分転換、

やる気がでるなどの 効果が期待できる。歩行の目安は50歳代なら1万歩、60歳代は8千歩、70歳代は

5千歩ほど。大事 なのは継続性だ。 人が地上で立って歩くには、重力に負けない力を付け、バランス力を養うこと。

「生きることは呼吸することではない。行動すること」というジャン=ジャック・ルソーの言葉もある。

これからどのようにメンテナンスを実践していくかを考え、健康的な人生を目指して頂きたい。


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