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イベント関連:月例セミナー

日時:2013年5月29日 15:24 投稿者:pt21c

21世紀倶楽部 月例セミナーレポート

 

2013年5月21日(火)

21世紀倶楽部月例セミナー

世界経済の現状

講師 小手川大助氏 元IMF(国際通貨基金)日本代表理事

 

講師:小手川大助氏

【講演概要】

 2002年から2007年まで、欧米を中心にバブルが続いていた当時は、世界経済の三分の一を先進国が占めていた。しかし、リーマン以後の落ち込みは深刻で、現在の欧米経済は、第二次世界大戦前に匹敵するほど酷い状況にある。アメリカでは、2012年秋にやっと住宅価格が底をついたと見られ、経済回復の兆しが見えてくるのは、早くても、2014年の夏から秋、ヨーロッパに関しては、2020年まで回復は無いとの厳しい見方もある。こうした長期化する経済危機を脱するためには、公共事業で失業者を減らし、経済を上向きにしたいが、財政赤字のため難しい。となれば、中央銀行が量的緩和によって金利を下げ、民間投資に期待するが、将来へのビジョンが無いため、実体経済にはなかなか結びついていない。欧米でのさまざまな問題は、過剰流動性、金融機関の債務超過状態、財政赤字を抱える国が次々に国債を発行し、短期間に利潤を上げる策を続けてきたことで起きている。金融機関を正当に検査し、債務超過機関を整理していれば、もっと早く景気が回復したはずだが、欧米では、金融機関の政治力が日本以上に強いため、マスコミも金融機関を攻撃することはなかった。結果、先の「日本の失われた十年」より、もっと悪い状況が起きているといえる。
 こうした中、日本では株高好景気が続いている。これは、マーケットに溢れた金をどこに投資し、リターンをあげるかを考えたとき、欧米がだめとなれば、日本を中心とするアジアに向けられたため。アベノミクスのバーチャルなムードにも押されているが、これがいつまで続くかは、世界経済の動きに注目しなくてはならない。特に、欧米の経済不況の穴埋めとして期待されているのが中国シェア。IMFの見方では、中国経済は輸出依存ではなく、国内消費にベースを置き、7.8~8%伸びるだろうと言われている。これまでの欧米経済の時代はほぼ終了し、これからは中国を中心とした新興国の時代になる。これからの日本経済も、中国に物を売り、中国経済の勢いにうまく乗っていけるかどうかが大きな鍵となっていくだろう。

懇親会。 スタート

講演会の様子


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