日時:2013年3月29日 14:15 投稿者:pt21c

21世紀倶楽部
月例セミナーレポート

 

2013年3月19日(火)
21世紀倶楽部月例セミナー

 

南西域の状況等
講師 平田英俊氏 (航空自衛隊 航空教育集団司令官 空将)

 

【講演概要】

 中国は、軍事戦略として展開する2つの目標ラインを持っていると言われている。
1980年代半ばには、国の軍事力がつくまで、九州~沖縄~台湾の第一列島線を活動目標に定め、軍事装備の近代化を強化した2006年以降は、伊豆諸島~グァム~パラオの第二列島線での活動に移っている。その観点から見ても、沖縄は南西息を防衛する重要な拠点といえる。現在沖縄には陸海空合わせて約7700名が勤務し、そのうち航空隊員は3500人。防空活動の担当エリアとして設定された空域には、尖閣諸島や中国ガス田なども入り、非常に広範囲。しかし、陸地が少なく、飛行場も那覇にしか拠点がないので、より充実した対応のためには、さらに複数の飛行場があればと思う。
 近年、中国、ロシア、韓国などの周辺諸国が国防費を伸ばしているのに対し、日本は削減し続けていることもあり、現在では戦闘機保有に関しても、質・量共に中国のほうが上回っているといえる。また、中国艦艇等の活動状況を見ると、潜水艦や海洋調査船、海軍艦艇群が領海内を航行する事例が増加。特に尖閣諸島国有化の問題以降、一気に回数が増えている。空域でも、領空侵犯の恐れがあると注意警告するスクランブルが、2004年度までは40~50回だったのが、2009年度には100回を超え、2011年度にはさらに東のエリアに進出してきている。
 こうした状況を踏まえると、日本国の安全確保は、自衛隊や海上保安庁、警察などの個々の機関が対応すればいいというものではなく、国全体がトータルに訓練することが大変重要。平成22年に策定された日本の防衛計画の大綱で、やっと国全体での国防訓練の重要性が盛り込まれた。さらに、「自らの国は自らが守る」という使命感を持った若者を数多く育成していくことが大切。我々は、教育集団の担当として、気概を持った隊員育成が大きな任務と考えている。

講師:平田 英俊 氏

3月19日 講演会の様子

3月19日 懇親会、スタート


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