日時:2013年1月31日 12:19 投稿者:pt21c

201 3年1月24日( 木)


21 世紀倶楽部  月例 セミナー

 
今年の県内景気動向


講師 秋山修 氏 (日本銀行静岡支店長)

 日本銀行静岡支店長 秋山 修 氏

 

【講演概要】

 ヨーロッパが大きな懸念材料だった海外経済は、当面の危機感は薄れ、今年は若干伸びるのではとの見通し。為替は続いていた円高が、円安に変化しているのが特徴で、金融緩和の流れや国債利回り等、今後の動向に注目していく必要がある。
 国内景気においては、なかなかデフレ脱却の目途が立っていない中、1月22日に日銀が新たな金融緩和の方針を公表した。これまでは、2013年までに101兆円の基金で、国債を購入するとしていたが、今回はそれに加え、消費者物価2%アップの実現に向け、2014年初めから、期限を定めず月間13兆円で購入していくとした。そして実現のために、金融緩和だけでなく、同時に、政府との共同宣言で、成長力強化を揚げたことに大きな意味がある。
 地域の景気情勢では、昨年後半の海外経済のマイナスの影響が、地域経済に幅広く表れ、全国的に下向き。中でも静岡県は、製造業のウエイトが大きいことから、海外需要の減退や政策効果が一巡した影響なども受け、弱めの動きになっている。これまで、製造業や観光など、先頭に立って、日本を引っ張っていた静岡県だけに、構造転換の中で、日本全体が抱えるような課題を、一番背負っているといえるのかもしれない。
 しかし、再度、静岡県の強みを見直せば、製造業や観光の他、多様な農業品目を誇る農林水産業も大きな誇りであり、他産業と連携した六次産業化の取り組みも増えている。こうした各分野で、海外への働きかけを含め、まだまだ多くの新たな成長戦略を模索できる。これからの経済は低成長となり、小さなマーケットがいくつもできる形態へと移行していくなど、時代は大きな変化を迎えている。こうした流れを捉え、新しい戦略を立てることが重要だろう。新エネルギーや環境、健康関連など、新たな分野の芽も注目され始めている。また、浜松を中心とした県西部は、豊かな自然風土や奥深い歴史など、さまざまな地域資源が数多い。これらを活用し、地域の動きを積み上げ、成長力を強化して頂きたい。

1月24日 講演会の様子

1月24日 懇親会がスタート


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