2012年 11 月21 日( 水)
21 世紀倶楽部 月例 セミナー
浜松工場100年のあゆみ
講師 佐川昇 氏 (JR東海浜松工場長 )
【講演概要】
JR東海浜松工場は、 11月1日に開設100周年を迎えた。大正元、機関車、客車、貨車の修繕工場「鉄道院浜松工場」として開設されたが、これには浜松町民が、地域繁栄のためにと積極的に誘致に乗り出し、土地を提供てくれたことが大きかった。初めての機関車の修繕には2ヶ月かかったが、よい出来であったことや、ドイツ製のマレー式機関車の組立は、複雑な構造な上、図面が英語で書かれており、15名のスタッフが45日をけ修繕した記録等が残っている。大正6年からは工作機械を内製化し、2年後には模範的技術を立証するため、機関車を新製。昭和12年からはD51形(通称デゴイチ)を製造し、浜松工場では228両中69両を造り、他の工場に比べ、一番性能がよかったと評価された。
昭和20年の戦災は浜松工場にも大きな被害を及ぼし、浜松から工場を移転する案まで持ち上がっていた。しかし「浜松で工機部を守りたい」という工場側の熱意が認められ、浜松での復興がスタート。昭和21年には戦前以上の業績を上げ、内閣総理大臣賞の表彰を受けた。国鉄発足以降も、新幹線検修工場指定を懇請。次々に新車両を新製し、昭和35年新幹線用の試験構体を二ヶ月間で製作した。新幹線の生みの親と言われる15代工場長の島秀雄氏は、D51形の設計者としても知られるが、彼は「新幹線といえども、今までの確実な技術を集約し、磨き上げただけだ」という言葉を残している。
このように、幅広い車両の保守、製造、改造に携わることで、発展を遂げてきた浜松工場は、現在、東海道新幹線唯一の全般検査を行う専門工場として稼働し、平成31年3月完了予定でリニューアル工事を実施中。来年、営業運転開始予定の新型新幹線「N700A」の技術の一部を取り入れる改造工事も進んでいる 。改めて、工場の100年を振り返ると、さまざまな岐路を経験しながらも、現在の浜松工場を支えてきたのは、先人たちの「やらまいか精神」があってこそ、と実感している。今後もその精神を引き継ぎ、検査を通じて、車両の安全を進めていきたい。
12月例会 忘年会のご案内
静岡新聞社・静岡放送 21世紀倶楽部
12月例会
“忘 年 会” のご案内
晩秋の候、ますます御清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、12月例会は、今年最後のイベントとしまして21世紀倶楽部忘年会を開催いたします。
恒例のジュビロ磐田選手の来場、お楽しみ抽選会もあります。お知り合いもお誘い合わせてご参加ください。お手数ながら出欠連絡をお願い申し上げます。
日 時 12月19日 (水) 18:00~ 開場
18:30~ 開宴
会 場 静岡新聞ホール プレスタワー17階
参加費 会員無料 御同伴者大歓迎!!
※ビジター、同伴者は参加費 5,000円です
◇ 12月の「自由語会」は21世紀倶楽部忘年会へ合流します ◇
※平成25年1月 例会は1月24日木曜日です