【講演概要】東日本大震災を機に、中小企業におけるBCP(business continuity plan=事業継続計画)が重要視されている。事業継続計画とは、緊急事態に遭遇しても、企業の中核事業を中断しない。または中断したとしても、速やかに復旧するにはどうしたらいいかを考えておくこと。防災計画は、防災担当者が計画し、設備が壊れたら、それらを復旧することを目的にしていた。しかしBCPの場合は、企業がその後、事業を継続していくことを目的とするため、事業の取捨選択を含め、経営計画の一部として経営者が関与しなければならない。BCPを立案する場合、目標時間を設定し、どの事業を中核として集中的に取り組むかがポイントとなる。全体事業数の99.7%が中小企業である今、災害があった際に「緊急事態だから仕方がない」では通用しない。しかし、「資金、時間、知識がない」という理由で、BCPを知っていても策定していないという企業がまだまだ多いのが実情である。
そのため県をはじめ、各協会やNPO等では、普及率を高めるため、モデルプラン、融資制度、保障システムなどを作り、指導者養成講座なども実施。また情報交流や意見交換の機会を設け、課題へのフォローアップを進めている。一般的に、BCPへの取り組みは「難しい」という意見が多いが、中小企業にとって一番大切なのは、「自身の企業の身の丈に合ったBCPを設定し、小さく生んで大きく育てること」。はじめから完璧を目指すのは難しいので、まず簡単に策定できるモデルプランなどで取り組み、徐々に改善して充実させてくことをおすすめしたい。震災による企業への影響は多様化、広域化している。リスクに対する対策を考える場合、自社のみならず、仕入れ先や、二次・三次の下請けを含む取引先の被災、顧客被災、震災による需要の減少や、エネルギー制約、風評被害など、さまざまな影響が考えられる。こうした被害を克服するために、BCPが必要であることを十分に理解して頂きたい。
11月 セミナーレポート
2011年11月21日(月)
21世紀倶楽部定例セミナー
「中小企業に必要なBCP ?東日本大震災に学ぶ」
講師 池田浩敬 氏
富士常葉大学 社会環境学部・環境防災学部学部長
【講演概要】
東日本大震災を機に、中小企業におけるBCP(business continuity plan=事業継続計画)が重要視されている。事業継続計画とは、緊急事態に遭遇しても、企業の中核事業を中断しない。または中断したとしても、速やかに復旧するにはどうしたらいいかを考えておくこと。
防災計画は、防災担当者が計画し、設備が壊れたら、それらを復旧することを目的にしていた。しかしBCPの場合は、企業がその後、事業を継続していくことを目的とするため、事業の取捨選択を含め、経営計画の一部として経営者が関与しなければならない。BCPを立案する場合、目標時間を設定し、どの事業を中核として集中的に取り組むかがポイントとなる。
全体事業数の99.7%が中小企業である今、災害があった際に「緊急事態だから仕方がない」では通用しない。しかし、「資金、時間、知識がない」という理由で、BCPを知っていても策定していないという企業がまだまだ多いのが実情である。
そのため県をはじめ、各協会やNPO等では、普及率を高めるため、モデルプラン、融資制度、保障システムなどを作り、指導者養成講座なども実施。また情報交流や意見交換の機会を設け、課題へのフォローアップを進めている。
一般的に、BCPへの取り組みは「難しい」という意見が多いが、中小企業にとって一番大切なのは、「自身の企業の身の丈に合ったBCPを設定し、小さく生んで大きく育てること」。はじめから完璧を目指すのは難しいので、まず簡単に策定できるモデルプランなどで取り組み、徐々に改善して充実させてくことをおすすめしたい。
震災による企業への影響は多様化、広域化している。リスクに対する対策を考える場合、自社のみならず、仕入れ先や、二次・三次の下請けを含む取引先の被災、顧客被災、震災による需要の減少や、エネルギー制約、風評被害など、さまざまな影響が考えられる。こうした被害を克服するために、BCPが必要であることを十分に理解して頂きたい。