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日時:2011年9月28日 14:29 投稿者:pt21c

2011年9月21日(水)

 

21世紀倶楽部定例セミナー

 

「東日本大震災・被災者からの報告」

 

講師 佐藤大 「はままつ・東北交流館」館長

 

 

 今年7月、東日本大震災復興に向けた浜松市民協働支援事業として、浜松モールプラザサゴー地下に「浜松・東北交流館」がオープンした。ここは浜松に避難してきている被災者の方々が、被災者同士、また浜松市民と交流するサロンの役割を果たし、被災地である岩手県・宮城県・福島県の物産を販売する場所です。今回、福島県から浜松に避難中で、「はままつ・東北交流館」の館長として雇用された佐藤大さんにお話を伺った。※本事業は、NPO法人地域づくりサポートネット(会長:松井純 静岡新聞・静岡放送社長)が行っている。

【講演概要】3月11日、私は事務所の2階にいた。1~2分間の小さな揺れの後、地割れ音とともに、とてつもない大きな揺れが起こり、私は床に転がるしかなかった。崩れた天井に挟まれたが、なんとか自力で脱出し、高台へ避難した。これまでの津波経験から「たいしたことはないだろう」と思っていたが、海底が見えるかというほどの引き潮の後、はるか彼方の地平線から、黒い壁のような津波が近づいてきた。そして車が流され、大きな船や建物も飲み込まれ、私が勤めていた会社事務所も流された。

 警察、消防、自衛隊は原発の対応に追われ、役場も機能せず、誰もが独自の判断で動くしかなかった。何も情報が無く、的確な誘導ができない。さらに時間が経つにつれて、原発近隣者への避難勧告区域がどんどん拡大し、ただごとではないと感じた。以来半年、自宅に戻れないまま、現在に至っている。

浜松に叔父が住んでいたことから、今は家族と浜松の公営住宅に住んでいるが、仕事が無い。会社休業中となっていて正規就職ができず、なんとかアルバイトを考えるが、不慣れな土地で、面接に行くにも場所が分からない。途方に暮れている中、今回の緊急雇用の話を頂き、「はままつ・東北交流館」の館長として働かせてもらっている。この事業によって、避難者同士が話せる場ができ、心の拠り所としてとても喜ばれている。しかしこの事業は半年~1年の期限。終わってしまえば、避難者がまた路頭に迷う。まったく先の見えない原発の様子に、福島を離れようと考える人が、今後ますます増えるのではないかと予想される。そんな人たちの助けとなるためにも、この仕事をなんとか継続させてほしい。そして浜松と結んだ縁で、福島に戻った際には、是非復興のために皆さんのお力添えを切にお願いしたい。

佐藤大氏

講演会の様子

懇親会 スタート

 


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