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日時:2011年1月31日 11:34 投稿者:pt21c

21世紀倶楽部 月例セミナーレポート
2011年1月21日(金)  「経済の展望と課題」講師 川添敬氏(日本銀行静岡支店長)

【講演内容概要】
 日本全体の経済状況を見ると、2010年7〜9月は、エコカー補助金の打ち切りや
たばこ増税による駆け込み需要、猛暑効果の影響などがありできすぎに近い高成長を
見せた。その後は反動によるマイナスが予想されながらも、全体的に「回復」と判断
している。製造業全体が頭を下げているため、製造業の多い静岡県では、「海外景気
が順調に回復するか」「円高の先行きは、どう輸出に関連してくるか」と不透明感が
強いのも事実だが、個人消費での持ち直しが顕著なこともあり、経済変動全体を平均
してみれば、静岡県も前向きと判断している。
 では今後の先行きはどうか、まず世界状況を見ると、IMF統計の実績と予測による
成長率を見ると、2010年は4.8%の成長率、2011年10月時点で4.2%の予測を立てて
いた。力強く成長する中国などの途上国と比べると、大きな差を感じるかもそれな
いが世界経済のこれまでの歴史から見ると、4%は決して悪い数字ではない。日本は
輸出から回復が始まり、製造業の業績が上がり、そこから設備投資をしたり、賃金・
雇用アップしたりすることで消費が増え、住宅投資や関連産業が向上するという、自
律的経済回復のメカニズムを持っている。2007〜2008年に比べて、現在は確実にキャ
ッシュリッチな(手持ちの金の多い)法人は増えており、いつでも設備投資を始めら
れる状況にきている。
 日本銀行では、金利の上げ下げで金融政策を行うのが通常だが、金利ゼロの今は、
低金利を長期に継続させたり、上乗せ金利を縮めたりなど、いくつかのあわせ技で対
策を行う非伝統的な金融対策を行っている。またETFやJ-REITの買い入れなども、こ
れまでにない異例の措置といえる。さらに為替介入では、今回1回だけに絞って行っ
たことは効果が高かったと思う。以前、何度か続けて介入を行ったことがあったが、
すると介入を予想してマネーゲーム取引が膨らんでしまうため、なかなか効果が出に
くかった。今回は上手に介入したと個人的に考えている。
 中国、アメリカ、日本における通貨安競争といわれているが、「景気が過熱すれば金
融引き締めを行うため金利が上昇する」「金利が上がっているところに、低いところか
ら金が流れる」など、逃れられない「経済の力」によって、各国それぞれが難しい状
況を抱えながら対応していることを念頭に入れて見てほしいと思う。

 


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