【講演内容概要】
1980年代後半からグローバリゼーション化が進み、新興国が急成長した。地 球温暖化など環境問題がクローズアップされ、少子高齢化も進んだ。世界はリーマ ンショックによる世界同時不況対策として、環境分野への投資を位置づけたことか ら、自然エネルギーへ大きく転換した。つまり現在は未曾有の大変化時代であり、 こうした時に「イノベーション(技術革新)」が起こっている。 世界産業革命の歴史を振り返ると、蒸気機関車と軽工業が起こった1760年代 の第一次産業革命、電気・石油による重化学工業が起こった1860年代の第二次 産業革命、そして石油燃料を脱し、再生可能エネルギーへ転換した今回がそれに続 く産業革命期といえる。浜松地域の発展を比較すると、江戸時代に綿織物の生産が 盛んだったことから自動織機が生まれ、その後、石炭や石油の科学燃料を元に機械 金属工業が発展し、現在の自動車産業へと移行した。世界が200年かけて発展し た歴史を、浜松が100年ほどで追い越す発展を遂げたことは評価が高い。しかし 現在の工業統計による製造品出荷額や有効求人倍率などを見ると、静岡県西部の数 字が、かつてないほど低迷しているのが気がかり。 今後、浜松が持続的に発展するにはどうすべきか。ひとつに森林が多い地域の特 徴を生かすことが考えられる。川上である農山村と川下の都市部の両立をヒントに、 森林経営が成り立たないだろうか。また光やバイオ技術を応用することで、農林水 産業の活性化やエコタウン形成に結びつく可能性も高い。現在、基幹産業である自 動車関連産業が直面しているピンチは、環境変化に進化適応することで新たなもの づくりに結びつくチャンスともいえる。森林資源を活用しながら、省エネ、蓄エネ、 創エネによる浜松独自のエコライフを提案することで、ニュービジネスが誕生する のではと思っている。 さらに街は人々の往来があってこそ活性化する。技術を外へ放出するだけでなく、 地元の産業や文化を生かした観光・交流を推進し、集客都市を形成することが今後 の浜松の課題ではないだろうか。景気低迷に気分は落ち込みがちになるが、起業家 精神でチャレンジし、切磋琢磨し、共生都市創りを進めていくことが大切だろう。
10月例会セミナーレポート
1980年代後半からグローバリゼーション化が進み、新興国が急成長した。地
球温暖化など環境問題がクローズアップされ、少子高齢化も進んだ。世界はリーマ
ンショックによる世界同時不況対策として、環境分野への投資を位置づけたことか
ら、自然エネルギーへ大きく転換した。つまり現在は未曾有の大変化時代であり、
こうした時に「イノベーション(技術革新)」が起こっている。
世界産業革命の歴史を振り返ると、蒸気機関車と軽工業が起こった1760年代
の第一次産業革命、電気・石油による重化学工業が起こった1860年代の第二次
産業革命、そして石油燃料を脱し、再生可能エネルギーへ転換した今回がそれに続
く産業革命期といえる。浜松地域の発展を比較すると、江戸時代に綿織物の生産が
盛んだったことから自動織機が生まれ、その後、石炭や石油の科学燃料を元に機械
金属工業が発展し、現在の自動車産業へと移行した。世界が200年かけて発展し
た歴史を、浜松が100年ほどで追い越す発展を遂げたことは評価が高い。しかし
現在の工業統計による製造品出荷額や有効求人倍率などを見ると、静岡県西部の数
字が、かつてないほど低迷しているのが気がかり。
今後、浜松が持続的に発展するにはどうすべきか。ひとつに森林が多い地域の特
徴を生かすことが考えられる。川上である農山村と川下の都市部の両立をヒントに、
森林経営が成り立たないだろうか。また光やバイオ技術を応用することで、農林水
産業の活性化やエコタウン形成に結びつく可能性も高い。現在、基幹産業である自
動車関連産業が直面しているピンチは、環境変化に進化適応することで新たなもの
づくりに結びつくチャンスともいえる。森林資源を活用しながら、省エネ、蓄エネ、
創エネによる浜松独自のエコライフを提案することで、ニュービジネスが誕生する
のではと思っている。
さらに街は人々の往来があってこそ活性化する。技術を外へ放出するだけでなく、
地元の産業や文化を生かした観光・交流を推進し、集客都市を形成することが今後
の浜松の課題ではないだろうか。景気低迷に気分は落ち込みがちになるが、起業家
精神でチャレンジし、切磋琢磨し、共生都市創りを進めていくことが大切だろう。