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イベント関連:月例セミナー

日時:2024年10月31日 16:06 投稿者:pt21c

「新型コロナ対応を踏まえた 静岡県のこれからの感染症対策」
講師 静岡県 健康福祉部 感染症管理センター センター長 後藤 幹生 氏

【講演概要】
 2019年12月に発生した新型コロナウイルス感染症は、2023年3月までに
全世界で6億人以上が感染し700万人が死亡。日本の累積死亡者数は1万人
あたり6人で、世界の中では低い。米英は33人。日本のワクチン接種回数
は1人あたり約3回で最も多く、欧米等は2~2.5回。
 静岡県の感染者1000人あたりの死亡者数は下がってきており、ワクチン
接種率の高まり、飲み薬の承認、重症化率が低いオミクロン株の流行が理
由と考えられる。県別の死亡者数は、静岡県は少ない方から5番目、感染者
数は少ない方から18番目。今年3月までに県内の65歳以上の高齢者の94%が
2回以上ワクチンを接種。全年代でも82%以上が2回以上接種。このことと、
内服抗ウイルス薬の投与率の高さが重症化や死亡者を減らした大きな要因
と考えられる。
 献血した人の残りの血液を使った抗体の全国調査によると、2024年3月の
時点で若い人は既に1回以上コロナにかかった人が多いことがわかり、普通
の風邪になりつつある。しかし60代ではかかった人は5~6割。高齢者は重
症化もしやすいので、まだ注意が必要。
 県ではコロナ禍の経験を踏まえて、次への対策を準備。平時も医療機関
や各関係団体との連携を推進したい。危機発生初動時のリスクコミュニケー
ションで重要なことは、直ちに共感を表現すること、リスクをシンプルに
説明すること、リスクを減らし安全を保つ行動を促すこと、危機に対応し
た取り組みと成果・今後の対応を説明して組織の信頼性を確立すること、
である。
 世界の流行感染症の3分の1が鳥インフルエンザ関係。アメリカでは乳牛
から人への鳥インフルエンザ感染事例が増加。どんな感染症が次にやって
きても、感染症の3つの成立要素をしっかり考えて行動してほしい。「感染
源」、それをもらってしまう「感染宿主」、その間を結ぶ「感染経路」の3つ。
病原体を増やさないようにし、清潔な環境を整備することによって感染源
を減らす。ワクチン接種や免疫力を高めるケアなどによる宿主の抵抗力の
強化。そして、症状の強い時は人と会わず、手洗い、咳エチケットなどで
感染経路を断つことが重要。
 国は約10年ぶりに新型インフルエンザ等対策政府行動計画を大幅改定。
そのポイントは、平時の準備、対策項目の拡充、幅広い感染症に対応し柔
軟に対策を切り替えること、DXの推進、実効性確保の取り組みである。静
岡県感染症管理センターは三島市にあり、感染症情報基盤の構築、感染症
対応人材の養成、感染症災害時の指令塔という3つの役割を担っている。
 本県が人口あたりのコロナ死亡者を低く抑えることができたのは、皆様
の感染対策とワクチン接種の協力、医療機関のご尽力のおかげと感謝。コ
ロナは若い人にとっては風邪に近づいているが、高齢の方や病気を持つ方
は重症化する場合があるので、定期的なワクチン接種と、発症したら速や
かな受診、抗ウイルス薬の服用が大事。県は独自の注意報・警報を発令し、
メリハリのある感染対策の協力と適正受診の呼びかけを継続中。現在県で
は次の感染症対策の行動計画を作っているので、ご意見をお願いしたい。
県のホームページで「静岡県 コロナ 記録」で検索すると、静岡県の新
型コロナ対応の記録を見ることができる。ぜひご参考に。


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