市政報告「元気なまち・浜松へ」講師 浜松市長 中野祐介氏 【講演概要】
今年2025年は昭和100年、戦後80年。浜松市にとっても12市町村の合併から20周年という節目の年。2007年には政令指定都市になった。現在の浜松市の最大の課題は人口の減少。浜松は魅力あふれるまちで、人口の減少は本来あるべき姿ではない。その理由の一つは、子どもが生まれないこと。2023年の出生数は4,561人で10年前より約3割減少。婚姻数も10年前は4,000組以上だったが、2023年には2,928組でやはり3割減少。婚姻数の減少が出生数減少の大きな要因だと思う。もう一つの理由は、市域外とりわけ東京圏への人の流出。東京圏への社会移動をグラフ化すると、15歳から29歳の世代は圧倒的に転出超過になっている。人口減を食い止め、成長するまちに変えるためには、この二つを中心に対策しなくてはいけない。ワークライフバランスを実現できる安定した仕事、社会全体で支える子育て、安心安全に暮らせる魅力あふれるまち。そのような「まち・ひと・しごとの創生」を進めることが「元気なまち・浜松」を作る唯一の方法である。 今年は浜松市の新しい10ヵ年計画、総合計画基本計画が始動。「ウェルビーイング」という視点を取り入れ、まちづくりの基本理念のもと、分野横断的に施策を実施するという計画で、当初予算、一般会計4,160億円規模という過去最大の予算を計上した。基本計画分野として、産業経済、こども・教育、安全・安心・快適、環境・くらし、健康・福祉、文化・スポーツ、地方自治の7つに分けて施策を取りまとめている。 産業経済の分野では、海外展開事業化可能性調査費助成事業をスタート。そして浜松・インド経済交流推進事業。インド工科大学ハイデラバード校(IITH)と連携し、秋にはリクルート活動に行く。農林水産業については、他産業との連携による付加価値向上の取り組みを支援、天竜美林のカーボンクレジット創出モデル事業、漁獲が減っている浜名湖アサリの総合対策事業。こども・子育てでは、ワンストップで支えられる仕組みづくり。浜松市は「こどもまんなか応援サポーター」宣言をしている。こどもの権利擁護環境整備、放課後児童会の拡充、デジタルを活用した不登校支援を進めていきたい。 安全・安心については、遠州鉄道(株)と公共交通維持についての研究、盛土の対策、浜松環状線の4車線化、水道管路・施設の耐震化などを計画的に実施。文化・スポーツについては、西図書館が一条スマートタウンに移転し、多様なニーズに対応した図書館としてオープン。30年を経過したアクトシティは順次改修。大ホールは次の浜松国際ピアノコンクール後に休館に入り、音楽の都にふさわしいホールとしてリニューアルする予定。スポーツについても、浜松アリーナをリニューアルする。 浜松は全国でもまれな県庁所在地ではない政令指定都市。浜松の皆さんが一丸となって「やらまいか」の精神で、再び元気な浜松を作ろう!と盛り上げていただければと思っている。
2025年7月3日(木)21世紀倶楽部総会記念講演会
市政報告「元気なまち・浜松へ」
講師 浜松市長 中野祐介氏 【講演概要】
今年2025年は昭和100年、戦後80年。浜松市にとっても12市町村の合併から20周年という節目の年。2007年には政令指定都市になった。現在の浜松市の最大の課題は人口の減少。浜松は魅力あふれるまちで、人口の減少は本来あるべき姿ではない。その理由の一つは、子どもが生まれないこと。2023年の出生数は4,561人で10年前より約3割減少。婚姻数も10年前は4,000組以上だったが、2023年には2,928組でやはり3割減少。婚姻数の減少が出生数減少の大きな要因だと思う。もう一つの理由は、市域外とりわけ東京圏への人の流出。東京圏への社会移動をグラフ化すると、15歳から29歳の世代は圧倒的に転出超過になっている。人口減を食い止め、成長するまちに変えるためには、この二つを中心に対策しなくてはいけない。ワークライフバランスを実現できる安定した仕事、社会全体で支える子育て、安心安全に暮らせる魅力あふれるまち。そのような「まち・ひと・しごとの創生」を進めることが「元気なまち・浜松」を作る唯一の方法である。
今年は浜松市の新しい10ヵ年計画、総合計画基本計画が始動。「ウェルビーイング」という視点を取り入れ、まちづくりの基本理念のもと、分野横断的に施策を実施するという計画で、当初予算、一般会計4,160億円規模という過去最大の予算を計上した。基本計画分野として、産業経済、こども・教育、安全・安心・快適、環境・くらし、健康・福祉、文化・スポーツ、地方自治の7つに分けて施策を取りまとめている。
産業経済の分野では、海外展開事業化可能性調査費助成事業をスタート。そして浜松・インド経済交流推進事業。インド工科大学ハイデラバード校(IITH)と連携し、秋にはリクルート活動に行く。農林水産業については、他産業との連携による付加価値向上の取り組みを支援、天竜美林のカーボンクレジット創出モデル事業、漁獲が減っている浜名湖アサリの総合対策事業。こども・子育てでは、ワンストップで支えられる仕組みづくり。浜松市は「こどもまんなか応援サポーター」宣言をしている。こどもの権利擁護環境整備、放課後児童会の拡充、デジタルを活用した不登校支援を進めていきたい。
安全・安心については、遠州鉄道(株)と公共交通維持についての研究、盛土の対策、浜松環状線の4車線化、水道管路・施設の耐震化などを計画的に実施。文化・スポーツについては、西図書館が一条スマートタウンに移転し、多様なニーズに対応した図書館としてオープン。30年を経過したアクトシティは順次改修。大ホールは次の浜松国際ピアノコンクール後に休館に入り、音楽の都にふさわしいホールとしてリニューアルする予定。スポーツについても、浜松アリーナをリニューアルする。
浜松は全国でもまれな県庁所在地ではない政令指定都市。浜松の皆さんが一丸となって「やらまいか」の精神で、再び元気な浜松を作ろう!と盛り上げていただければと思っている。