日時:2026年9月11日 12:51 投稿者:pt21c

鈴木康友氏(講演会写真).jpg

『幸福度日本一の静岡県』を目指して

講師 静岡県知事 鈴木 康友 氏

【講演概要】 

 現在、静岡県は「幸福度日本一の静岡県」を掲げ、人々の内面的な幸福実感を高めていこうという「ウェルビーイング」の概念を県政の中心に据えている。アンケート調査では男女とも幸福実感は全国平均より高い。「自然の恵み」「公共空間」「住宅環境」、そして健康寿命男女とも日本一に象徴される「健康状態」などが高く、「遊び・娯楽」「多様性と寛容性」「移動・交通」「雇用・所得」「事業創造」が低い。これはこれから政策に反映させていく。
 県政の基本理念は、LGX:ローカル・ガバメント・トランスフォーメーション。自治体も前例主義や役所の常識に縛られる感覚を変えなくてはいけない。その実践の一つがAIの活用で、私がCAIO(AI統括責任者)に就任。現在7万時間の業務効率化を達成している。 
 リニア中央新幹線は、前知事の時代から28の課題を整理して取り組み、今年3月に全てクリア。今年7月にJR東海と自然環境保全協定を結び、着工にこぎつけた。リニアは静岡県にメリットが無いと言われるが、大阪、名古屋と東京を一直線で結ぶ役割がリニアに移ったら、県内6駅に停まる東海道新幹線の本数は飛躍的に増加し、経済波及効果は高まるはずだ。
 スタートアップ支援については、県認定のベンチャーキャピタルが出資するスタートアップに県が同額の交付金を交付する「静岡県ファンドサポート事業」で、有望なスタートアップを県内に誘致し、支援。また、中小企業経営者が事業を引き継いだ時、新しい事業を作って2つの事業で会社を成長させる「両利きの経営」・第二創業の促進で地域産業を支援。伊豆地域では温泉旅館のオフィス化事業を展開し、スタートアップが集う拠点の創設に取り組んでいる。SHIP(SHIZUOKA INNOVATION PLATFORM)を中心に県内のスタートアップ支援拠点が連携している。
 地域未来戦略では、「地域産業クラスター計画」として、世界トップレベルの医療健康産業をはじめ、食品・ウェルネス産業、光・電子技術産業、次世代モビリティ産業、海洋産業、コンテンツ関連産業、エネルギー・循環経済関連産業、ロボット産業の8分野を策定する。光・電子技術では持続可能で安全な次世代エネルギー源として期待・注目されるレーザーフュージョンの研究を推進。また、静岡茶については、輸出需要の高い抹茶向けの品種へ転換を支援。総合プロデューサーに佐藤可士和氏を迎えた「静岡茶ブランディングプロジェクト」によって、「JAPAN TEA SHIZUOKA」のブランドを世界に発信。次世代モビリティについては、静岡県は「空飛ぶクルマ」の先進地域。垂直離着陸する機体の特性に即した新しいルール作りについても次世代エアモビリティ実装協議会を立ち上げた。静岡県は観光資源の宝庫。特に海外富裕層をターゲットとしたゴルフツーリズム、ビジネスジェットの受け入れ機能強化などで観光の基幹産業化を目指す。
 遠州灘海浜公園(篠原地区)では、野球場を中心とした一大複合施設の実現をめざして民間投資を探っているところ。文化については、本県発の概念である「超老芸術」の普及・拡大、東部・伊豆に点在するユニークな美術館の活用などをウェルビーイング向上につなげようとしている。
 浜松市長時代の経験が今、とても生きている。県を舞台にがんばっていきたい。


静岡新聞社・静岡放送 21世紀倶楽部
〒430-0927 静岡県浜松市中央区旭町11-1 プレスタワー15F TEL(053)455-2001 FAX(053)455-2021