
『歌声合成技術 VOCALOIDと新しい音楽』
講師 ヤマハ株式会社 研究開発統括部 剣持秀紀 氏
【講演概要】
VOCALOID(ボーカロイド)とはヤマハが開発した、歌詞と音符を入力するだけで歌声を合成することができるソフトウェアおよび技術。人の声から採ったサンプル(素片)をつなぎ合わせて合成する。歌声の素片を集めたものがボイスバンク。ヤマハは他社にこのボイスバンクを開発する権利と歌声合成のためのソフトウェアをライセンスすることからVOCALOIDのビジネスをスタートさせた。その代表格はクリプトン・フューチャー・メディア株式会社(以下クリプトン社)が作った「初音ミク」だ。VOCALOIDの名前の由来はvocal+oid(~のようなもの)。2000年に開発を開始し、2003年に発表。2004年に最初の製品が発売されたが、販売は不振。2007年に声帯の振動と息の成分が混然一体となる人間の声に近づいたVOCALOID2を発表し、クリプトン社が8月31日に「初音ミク」を発売。爆発的ヒットとなった。その後もバージョンアップを重ね、2014年にはVOCALOID4を発表。2022年にはAIの考え方を取り入れたVOCALOID6が発売され現在に至る。
歌声は音声と楽器の両方の性質を持つ。VOCALOID5までの方式では、実際の歌手の歌声の素片を音色操作して滑らかにつなぐために加工をする。また、歌声は音符より前に子音が出るので、音符に母音を揃えるタイミングの調整にも苦労した。VOCALOID:AIはDeep Neural Networkの考え方を使い、実際の人間の歌声で音符と歌詞と歌声の関係を学習させた後、音符と歌詞を入れると、推定した歌声が出る方式。それを人間が修正できるソフトウェアである。
VOCALOIDを開発した理由は、歌声以外は打ち込みによる音楽制作が可能になっていた2000年頃、楽器メーカーとして歌声打ち込みの決定打を開発したいということだった。当初はバックコーラスや仮歌での使用を考えていたが、初音ミクが7年でリードボーカルを可能にした。メジャーデビューし、オリコン1位。昨年の10代のカラオケランキングではトップ10のうち3曲がVOCALOIDで作られた楽曲である。開発・事業化にあたっては「歌声を合成する」という概念をなかなか理解してもらえなかったが、初音ミクの普及によって理解されるようになった。今年の4月にはNHKの「新プロジェクトX」に取り上げられた。
合成された歌声と人間の歌声の違いは、VOCALOIDは人間の体の一部以外のものを使って音楽を作る、つまり楽器であるということ。そして、例えば「初音ミク」といったシンボルが歌っていると錯覚させる新しい楽器なのである。VOCALOIDによってそれまでありえなかった旋律や歌詞、人間に不可能な速さや音域を持つ新しい音楽が生まれた。このように楽器による音楽の変化は、ベートーヴェンの時代やサクソフォンの発明でも見られる。戦前の文芸評論家・平林初之輔は『文学及び芸術の技術的革命』という本の中で「機械が芸術を変える」と述べている。そして、それに対する怖れはあるが、その先に何か新しいものが必ず生まれると言っている。また音楽は社会によっても変化。フランス革命を経て音楽は市民のものになった。今はインターネットの発達で自分が作ったものを即座に世の中に出せるようになり、AIは様々なことを可能にする。作曲という行為自体も変わり、プロンプティングが作曲となるかもしれない。これからも新しい楽器や技術や社会の変化によって、新しい音楽が生まれ続けると思う。








SBSラジオ「しずおかマイトーク」令和7年11月16日放送分
この番組は21世紀倶楽部が協力して毎週放送しています。
今回は明治安田生命保険相互会社浜松支社長の小林幸子(こばやし・さちこ)氏をゲストにお招きしました。小林氏のモットーは「愛と感謝を勇気に変える」。趣味は動画視聴、出身地は東京都です。
令和7年11月16日(日)午後6時15分から放送された内容の要約を紹介します。
【健康と地方創生の2大プロジェクトに全力】
明治安田は「生命」の文字をブランド通称から外し、従来の生命保険会社の枠を超える決意を表明しました。その核となるのが「みんなの健活」と「地元の元気」の2大プロジェクトです。
「みんなの健活」では健康寿命の延伸を目指し、自治体や企業が開催するイベントの会場に「健活ブース」を設置させていただき、血管年齢測定や野菜摂取レベルがわかるべジチェック、骨密度測定などを行っています。最近では体の「老化」をチェックする機器も導入しました。
今や日本人の2人に1人は、がんになると言われる時代です。がんは早期発見で治る病気ですが、そのためにはまず「がん検診」を受けていただくことが重要です。「女性がん特約」では乳がん検診や子宮がん検診を受けていただき、何も異常がなければ給付金をお支払いする仕組みを取り入れています。
「地元の元気」では、浜松市をはじめ遠州地域9自治体と連携協定を結んでいます。各自治体の取り組みを私たちが1軒1軒訪問してご案内しています。これからも生命保険だけでなく、遠州地域の皆さまの生活がより豊かになるようなお手伝いができればと考えております。