日時:2019年3月 6日 15:42 投稿者:pt21c

講師:株式会社エリジオン代表取締役会長小寺敏正氏
演題:「日本初世界への挑戦21世紀のICT社会と日本」
【講演概要】
私の人生のテーマは「技術者の理想郷を作る事」と「ITで世界一になること」。
社名のエリジオンはギリシャ語で「理想郷」を意味する。当社は3次元形状処理と
データ変換の技術をベースにさまざまなパッケージソフトウェアを企画・開発している。
主力技術であるスピーディーで高品質な3Dデータ変換技術は世界中で高く評価され、
ルノー・F1チームのオフィシャル・サプライヤーにも認定されている。
主要顧客にはボーイング、NASA、シーメンス、ダイムラーなど世界の一流企業が並ぶ。
最近では、3Dレーザースキャナーでリアルな現実を簡単に3Dデータにすることも
可能になり、更にはAR/VR/AIの利用も広がり、多くの産業で新たなデジタル化が
急速に進んでいる。こうしたデータ交換技術で、当社は業界第2位を大きく
引き離す世界トップシェアを実現することができた。
会社経営で最も大切なことは熱い想いと志で社員とお客様に感動してもらうこと。
優秀な人材が能力を発揮し十分に活躍できる人生の舞台を提供するのが経営者の
役目だと思う。最近は反面教師の経営者も多いが「腐敗しない権力はない」を
戒めとして媚びず奢らず常に誠実に生きたいと思う。
現在、世界経済はGAFA(グーグル、アップル、フェースブック、アマゾンの4社)が、
圧倒的プラットフォーマーとして君臨し世界の時価総額ランキングの上位を占めている。
こうした状況は、市場を独占することによって既存ビジネスを侵略する大きな
脅威となっている。我が日本を顧みると、平成元年に時価総額ランキング
世界ベスト100に日本企業が31社ランクインしていたが、平成30年にはわずか
1社になってしまった。日本が得意としてきた「ものづくり」はコモディティー化し
開発の中心は新興国に移っていく。少子高齢化が進み国全体が衰退していくのを
少しでも止めるために付加価値の高い知的産業を振興させなくてはいけない。
既に手遅れかも知れないがこのままでは更に世界から取り残されてしまう。
海外では優秀な人材が連携して天下・国家を語り人間力を磨き大いに活躍している。
日本は優秀な若い人材にもっとチャンスを与え、新たなことを自分で見出せる
能力を伸ばし、のびのびと活躍できる社会にしていかなくてはいけない。
人生は権力や金、名誉などの世間体ではなく、知性と品格が大事だと思う。
「先頭を走る者は誰よりも強い風を受ける」「今日より若い日はない」。
こうした言葉を胸に、自分の夢に向かって精一杯生きることが、自分の、
社員の、そしてすべての人々の幸せに繋がっていくものと信じています。


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