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日時:2016年3月23日 16:43 投稿者:pt21c

2016年2月19日(金)21世紀倶楽部月例セミナー

演題   医療を取り巻く環境の変化について

講師   山下堅司 氏 (公益財団法人浜松市医療公社理事長 )


【講演概要】
 浜松医療センターは、市制60周年記念事業の一つとして、既存の「浜松市医師会中央病院」を発展的に統合し、昭和48年4月に設立された。医師や医療器具など、院内すべての機能を開業医に開放するオープンシステムや、完全紹介制を先駆けて取り入れ、また医療レベル向上のため、著名な医師を招いた勉強会を、40年間で2545回実施している。
 地域医療支援病院、救命救急センターA評価、地域周産期母子医療センター、第2種感染症指定医療機関など、31の各種制度の指定を受け、さらに、病院の実力目安ともいえる「学会施設」も59項目認定されている。そして、血液内科のシェアは、県立がんセンターに続く県内2位。分娩数も聖隷病院に続く2位、そして心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)は県内1位を誇っている。
 最近の医療を取り巻く環境は、低迷する診療報酬や消費税法上の不利益など、厳しい状況下にあり、病床数の削減や介護サービスとの連携による医療費抑制策が打ち出され、機能再編が計画されている。とはいえ、県西部地域の医療資源は、先人の尽力により、他地域に比べて各段に恵まれているといえる。こうした体制をベースに、これからは2025年を目途に「地域包括ケアシステム」の構築を目指していく。
 これは、重度な要介護状態となっても、自分が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを、人生の最後まで続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される仕組みのこと。実現に向けては、ネットワーク機能の確立や特別養護老人ホームに関わる人材確保など、緊急な課題は多いが、必ずや実現しなくてはならない。
医療センターの運営を担う浜松市医療公社は、かつての厳しい経営状況を回復させ、現在は黒字経営を安定させている。そして、現在、当センター建て替えに向けた基本設計を実施し、この機会に、改めて我々の果たすべき役割を見直している。そして今後は、労働集約型産業である病院にとって、最大の財産といえる「人材育成」に力を注いでいきたい。また、今年1月県内初の取り組みとして設置された「在宅医療、介護連携相談センター」を核に、地域貢献を進めていく。
 浜松市は、19政令指定都市+東京都区部の中で、男女共に健康寿命第一位。今後も、皆様には、趣味や地域活動などの生き甲斐を持って、いつまでも元気に過ごしていただきたい。


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